あけましておめでとうございます。2021年もよろしくお願い致します。
昨年末、「Lv0179【絶対に覚えておきたい超基本のプロテクティブ・コール】+32,000円」というレポートをアップした。今回は「プロテクティブ・プット」版。
前号のレポートは以下からどうぞ。
多くのオプション・スプレッドが存在する中で「プロテクティブ・プット」と「プロテクティブ・コール」、この2つが最も単純、基本形であることは間違いない。わたし個人的な思いだが、オプション・トレードを1から理解するには、まず「プロテクティブ・プット」と「プロテクティブ・コール」が分からなければ何も始まらない、そしてこれらが理解できればオプションでメシが食えるようになる、と考えている。
以前「ギルド集会所」に以下のコメントをしている。
Emon 20:35
スマイルカーブの動きと「skewの変化」をおカネに変える手段として、オプションを使って「ボラティリティ・トレード」をやろうという訳ですが、その理屈的に、まずプロ系(プロテクティブ・プット、プロテクティブ・コール)をひたすら「シミュレーション」をすることをおススメします。
プロ系の理解が進むと、盛り・剥げによってスプレッドに損益が乗る仕組みが分かり、同時に逆符号であるカバ系(カバード・プット、カバード・コール)も見えてきます。
プロ系とカバ系が見えてくると、次はそれらを組み合わせたものであるシンセ系(フルヘッジ・ブル・シンセティック、フルヘッジ・ベア・シンセティック)が見えてきます。
プロPとプロCとシンセが分かってくると、盛り・剥げに加えて「skewの変化」も捉えているということなのでバック系(プット・バック・スプレッド、コール・バック・スプレッド)が見えてきます。バックが分かれば、同時にレシオ系(プット・レシオ・スプレッド、コール・レシオ・スプレッド)も分かります。
ここまで理解が進むと、期近と期先で盛り・剥げ・skewの変化 を比較することができ、戦略はカレンダー系(リバース・プット・カレンダー・スプレッド、リバース・コール・カレンダー・スプレッド、プット・カレンダー・スプレッド、コール・カレンダー・スプレッド)まで広がります。
ここまで来てしまったら、知識爆発はもう止まりません。何をやっているのか自分しか理解できないほど複雑な操作系スプレットを組めるようになります。オプション脳から抜け出せない状態になり、大変危険です。内緒にしておいてください。
(ギルド集会所のコメントここまで)
「ボラティリティ・トレード」にはスマイルカーブの観察が必須。「プロテクティブ・プット」と「プロテクティブ・コール」に評価益が乗るメカニズムを真に理解し習得すれば、その過程でスマイルカーブの観察力(スマイル物語 の読解力)はかなり鍛えられているに違いない。ボラティリティやスマイルカーブも分からぬまま何となく勝った負けたを繰り返すソレとは、積み上げられた経験値が違う。だから「ギルド集会所」でも「プロテクティブ・プット」と「プロテクティブ・コール」は、最重要スプレッドという位置付けだ。
(参考レポート:スマイル物語)
前置きが長くなってしまった。それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2021.01.06(水)17:20 プロテクティブ・プット 欧州市場午前
2021新年、初トレード。東京都のコロナ新規感染者数は過去最多の1591人を数え、お正月休み中から事前周知があった通り、明日にも「一都三県に緊急事態宣言再発令」が控えている。また米国では「ジョージア州上院選決戦投票」の開票が進んでおり、僅差が伝えられている。
先物は大発会から下落基調が続いており、今週は27000円の攻防。今回は満期直前SQ週の「魔木」(営業日)ということで、SQ週の「専業メシネタ × ボラティリティ・トレード × ガンマ・トレード」を意識。
ちなみに誰が言ったのか、SQ直前は、セータが凶悪にキツいのでロング系スプレッドは不利、というのは思い込み。セータがキツいということは、同時にガンマもキツく、オプション特性のバランスは常にニュートラル。満期直前と言えども、ロング系は不利でショート系が有利といった、アンバランスな事情はない。
(参考レポート:リバース・プット・カレンダー・スプレッド、リバース・コール・カレンダー・スプレッド)
今週先物が繰り返し試している27000円を割り込み、OTMプットが剥げてきたこのタイミングで、残存1.67営業日となった期近を使ってデルタ・ニュートラルの「プロテクティブ・プット」をエントリーしていこう。前号のレポートと同じ理屈の「ギルドの訓え、三対二の法則」に則った、基本の「ボラティリティ・トレード」で、結果はかなり確信的。
2021.01.07(木)09:15 東京市場オープン
木曜日、01SQ最終売買日。東京市場の先物は反発してオープン。IVはしっかりと「上げのP盛りC剥げ」。ホールド中の「プロテクティブ・プット」に評価益が乗ってきた。
先物は「HLバンド」のHラインにタッチし、等倍アノマリーにより27650円程度まで更に伸びる可能性が出てきた。しかし「プロテクティブ・プット」のデルタはロングに傾き、調整をしないまま先物が反落してしまえば、この評価益は消えてしまう。だから何かしらの決断をして対応していかなければならない。
(参考レポート:HLバンド)
ロング系スプレッドの生モノ、評価益が乗ったところで適度に降りてしまうのが「プロテクティブ・プット」の基本ではあるが、それはあくまで基本形。ここからの対応は人それぞれだろう。このまま無調整で「プロテクティブ・プット」のホールドを続けても良いし、前号のレポートのとおりタイミング的には「プロテクティブ・コール」にドテンし持ち替えても良いと思う。
(参考レポート:ロング系スプレッドの生モノ)
ちなみにプット買を増玉してデルタをニュートラルに調整するのは、あまり良い方法とは言えないかもしれない。プットを買えば「プロテクティブ・プット」のデルタはニュートラルに調整できるが、先物の上昇によりIVは「上げのP盛りC剥げ」となっているからだ。つまり盛ったプットを買うことになってしまい、「ボラティリティ・トレード」的には得策とは言えない。
コール売り新規建てでもデルタをニュートラルに調整できるが、同様の理屈で剥げたコールを売ることになるので良い方法とは言えない。よってこの場合、デルタをニュートラルにする方法は、ミニ買玉を落とすしかない(ミニ買玉を複数枚ホールドしているのなら)。
それでは返済注文を入れていこう。
2021.01.07(木)09:20 全返済
全返済。新年早々、ベーシックな「プロテクティブ・プット」を組むチャンスに恵まれ、プラス評価で完結させることができた。この調子で次のタイミングを狙っていこう。
2103M @+1枚 26945.00円 → 返済 27410.00円 (+46,000円)
2101P26250 @+1枚 29.00円 → 返済 4.00円 (-25,000円)
今回確定損益 +21,000円
合計確定損益 +21,000円