※追記分は「目次」からどうぞ。
わたしがギルドの始祖から学んだオプション・トレードは、全て「正射必中」の訓え。オプション取引とは優位性の塊で、そのとき生じた優位性だけを狙い撃ちにした「正射必中」のトレードを心掛ける。理屈的にそれを日々継続していれば、いずれ「正射正中」の領域に達することができるはずだ。その時点でまさに生涯モノの真のトレード技術が習得できる、とわたしは確信している。
オプション取引だからといって何も小難しいことをやろうという訳ではない。正しい方法で基本形(正射必中)のトレードを積み上げていくだけ。何よりもコレが大事(と、ギルドの始祖が申しておりました、たぶん)。オプションの持つ特異な性質故に、基本形の継続は簡単なことではないかもしれない。一生かかって「正射必中」を積み上げても、「正射正中」の領域には到達できないかもしれない。でもせっかくオプションの世界に足を踏み入れたのだから、やってみる価値はある。だからわたしはトレードをやる。
さて、様々なオプション・スプレッドをディープに掘り下げていく【絶対に覚えておきたい超基本の~シリーズ】第5弾。今回は超基本の「コール裸買い」戦略。34射分のトレードを一気にレポートにしていこう。
過去のシリーズは以下のリンクからどうぞ。
それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
- 2021.02.05(金)09:45 コール裸買い 東京市場オープン
- 2021.02.05(金)15:05 東京市場クローズ
- 2021.02.05(金)22:25 欧州市場午後
- 2021.02.05(金)23:00 欧州市場午後
- 2021.02.05(金)23:00 全返済
- 2021.02.08(月)10:10 コール裸買い 東京市場オープン
- 2021.02.08(月)11:10 東京市場午前
- 2021.02.08(月)11:10 全返済
- 2021.02.08(月)14:10 コール裸買い 東京市場オープン
- 2021.02.08(月)15:05 東京市場クローズ
- 2021.02.08(月)15:10 全返済
- 【追記1】2021.02.08(月)17:35 コール裸買い 欧州市場オープン
- 【追記1】2021.02.08(月)22:50 欧州市場午後
- 【追記1】2021.02.08(月)23:20 全返済
- 【追記2】2021.02.10(水)10:15 コール裸買い 東京市場オープン
- 【追記2】2021.02.10(水)15:05 東京市場クローズ
- 【追記2】2021.02.10(水)15:10 全返済
2021.02.05(金)09:45 コール裸買い 東京市場オープン
2月5日の金曜日、東京市場がオープン。先週は27500円手前まで売り込まれ、明らかな「環境の変化」が起きた。しかし今週は週初からリバウンドし高値28700円、1000円を超える上昇となった。
(たぶん)先物は02SQに向けて29000円を抜けて新高値を目指す展開となりそうに思える、と「レーダーが反応」。その心は【まとめ/日々更新】市況つぶやき録③】に以前から書いてきているので、そちらのコメントを合わせて確認していただければ、より理解が深まると思う。
(参考レポート:市況つぶやき録)
先週末に「ロング・ストラングル」を返済(前号のレポート)した。昨日の東京市場の反落から一転、今日は寄り付きから+250円上昇、「HLバンド」のHラインからのスタートとなっている。コールIVも未だ微剥げとなっているこのタイミングで「コール裸買い」をエントリーしていこう。
今回は先物の上昇トレンド復帰を見込んだ「デルタ・トレード」となる。先物は先週に良い押し目を作り、今週になってリバウンドしながらコールIV(ErisC)もドッサリ剥げた。先物水準も新高値をロックオンしており、「上げの全盛り」に発展する兆し。コールを買っていくには絶好の(むしろ完璧な)タイミングではないだろうか。もちろん「ボラティリティ・トレード」的には「いつものアレ・プロテクティブ・コール」が最適解だろう。先物の上昇により既にプットIV(ErisP)は盛っているので、「プロテクティブ・プット」は最適解とは言えないかもしれない。
上のペイオフダイアグラムの画像にあるとおり、現時点での「コール裸買い」のグリークスのうちデルタは「+0.30」、つまりミニのロング3.0枚分のデルタ量。ガンマは「+0.07」なので、先物が+100円する毎に「コール裸買い」のデルタは「+0.07」づつ増加していく。
セータは「-24.86」となっており、タイムディケイにより1日当たり-24.86円の減衰量。つまり時給おおよそ-1円。ベガは「+16.97」なので、IVが1%盛ると「16.97円」のベガ益が「コール裸買い」に乗る。逆にIVが1%剥げれば「16.97円」のベガ損がポジションの評価損益に内包される。単純「ミニ買い」ポジションと比較し、どちらが効率が良かったか結果を比較していこう。
ちなみに毎度のレポートでしつこいようだが、デルタ、ガンマ、セータ、ベガの4つは、オプション・トレードにとって必須のグリークス(オプション・リスク指標)。必ず把握できるようにしよう。ポジションの抱えているリスクが分からなければ、ポジション管理もできない。自分が抱えているリスクも知らず、何をやっているのか分からないというのは、もはやトレードとは言えずトレード技術など上達するはずもない。「スマイルキャッチャー」であれば、🔴LIVE配信でもお馴染みの「スマイルカーブ」の観察と、ポジション管理が同時に出来るのでオススメだ。
話を元に戻し、通常のマーケットであれば先物が上昇するとIVは「上げのP盛りC剥げ」が起こりコール、特にOTMコール以遠は剥げる。しかし最近の上昇大相場でよく見られる「値幅を伴った早いペースの上昇」を捉えることができれば、OTMコール(ErisC)は剥げ渋り、あわよくば盛り、スマイルカーブは「上げの全盛り」となるだろう。すると「コール裸買い」にベガ益が乗る。さらにデルタ益に加えてガンマ益も付いてくる。残存が4営業日を切っているのでセータはキツく、目に見えるレベルでポジション評価は削られるだろう。しかし毎度のごとく「セータは無視」してしまおう。
逆に先物は反落し27500円に再び迫っていく相場となるようなら、コールはしっかりと盛り返すだろう。その場合、「コール裸買い」に「ミニ売り」を当ててデルタを消し、ポジションを「プロテクティブ・コール」としてしまえば悪い結果にはならないだろう。だからここから更に寄り付き後の安値を更新していくようなら、即座に「ミニ売り」を当てる作戦でいこう。
ヨコヨコ停滞は完全にアウトだ。残存乏しいこの時期にそうなってしまっては基本的には何をしても救えない。よってしっかりと損切りしよう。しかし今回はNSに「NFP」を控えていることで「イベント盛り」が期待できる。ネガティブ・セータ(セータ損)とIVのイベント盛り(ベガ益)との綱引きとなり、先物が停止しても救出できるかもしれない。いずれにしてもこの相場環境ならオプション・ロングに分がありそうだ。ルート別時間差「三対二の法則」、「ギルドの訓え」。
2021.02.05(金)15:05 東京市場クローズ
金曜日の東京市場がクローズ。先物は思惑通り上昇、そして「上げの全盛り」。完璧なコースだ。「コール裸買い」をホールドしNSに持ち越していこう。今晩22:30には「NFP」が控えている。
2021.02.05(金)22:25 欧州市場午後
欧州市場午後。先物はジリ上げ、IVはNSに入っても剥げずに「上げの全盛り」継続、小幅な盛り。まもなく「NFP」を通過する。このまま「コール裸買い」ポジションを突入させよう。
ペイオフダイアグラムの画像からこの時点の「コール裸買い」ポジションのグリークスを確認してみよう。デルタは「+0.58」に増加し、ミニのロング5.8枚分のデルタ量となった。ガンマは「+0.11」に増加し、先物が100円上昇する毎にデルタは「0.11」づつ増加する。
セータも「-41.07」に増加、いまやおよそ時給-1.7円だ。画像内のスマイルカーブ上の表示のとおりIVは「+0.69%」増加した。ベガは「+23.39」に増加、前号のレポートで行ったベガ損益の計算方法とおり「23.39円×0.69%」で、おおよそ「16.14円」のベガ益が「コール裸買い」の評価損益に内包されている。
以上のグリークスから、先物の上昇とIVの上昇により「コール裸買い」のポジションが肥大化しており、リスクが大きくなっていることがわかる。
「コール裸買い」ポジションの組成時の先物は28575円、現在は28885円、+310円の上昇。「コール裸買い」を取った当初と同量のデルタで、ミニのロング3枚であれば93円の評価益となる。単純「ミニ買い」と比較して、今回は評価益120円の「コール裸買い」に分があったようだ。オプションの単純買いポジションは非常に資金効率が良く、今回のように条件が揃った上で「デルタ・トレード」を実行しようというとき、積極的に利用していくと良いと思う。
2021.02.05(金)23:00 欧州市場午後
「NFP」は完全に無風で通過。むしろ無風なところが少し微妙な感じになってきたかもしれない。新高値を前に一旦失速してしまいそうだ。NYが到着する前にとりあえず一旦返済しておこう。
2021.02.05(金)23:00 全返済
全返済。次のタイミングを狙っていこう。
2102C29250 @+2枚 50.00円 → 返済 110.00 (+120,000円)
今回確定損益 +120,000円
合計確定損益 +120,000円
2021.02.08(月)10:10 コール裸買い 東京市場オープン
02SQ週の月曜日、東京市場がオープン。週末に新たな材料が出たわけではないが、寄り付きから全く意味の分からないスタートダッシュで29000円をあっさり超えて+500円に迫る勢い。
「HLバンド」のHラインも抜け、こうなってしまってはもはやどこまで行くのか分からない。コールは盛っておらず、上昇小休止のこのタイミングで先週金曜NSに返済した「コール裸買い」を再エントリーしていこう。
2021.02.08(月)11:10 東京市場午前
先物は更に上昇、+600円。「HLバンド」のHライン倍プッシュ(等倍アノマリー)を達成。「オプション・ロングは生モノ」、先物が反落してしまえばあっという間に消えてしまう評価益だ。上昇ノルマからさらに等倍アノマリーを達成したのだからこれ以上は期待せず、上昇波に乗せて一旦返済してしまおう。
(参考レポート:永遠のテーマ、オプション・ロングは生モノ)
2021.02.08(月)11:10 全返済
全返済。短時間で良いトレードができたと思う。次のタイミングを狙っていこう。
2102C30000 @+2枚 40.00円 → 返済 57.00円 (+34,000円)
今回確定損益 +34,000円
合計確定損益 +154,000円
2021.02.08(月)14:10 コール裸買い 東京市場オープン
後場のこの時間、先物が垂れてきたところで、先ほど返済した「コール裸買い」を再エントリー。今日は先物が29000円を超え+500円となっていることから、このあと引けにかけてもう一発カバー上げがあるだろう。
2021.02.08(月)15:05 東京市場クローズ
日中高値を超えそうだが超えられない先物。しかしもうタイムオーバー、ここまでのようだ。それでは板寄せ前に返済していこう。
2021.02.08(月)15:10 全返済
全返済。次のタイミングを狙っていこう。
2102C30000 @+2枚 39.00円 → 返済 46.00円 (+14,000円)
今回確定損益 +14,000円
合計確定損益 +168,000円
【追記1】2021.02.08(月)17:35 コール裸買い 欧州市場オープン
02SQ週の月曜日、欧州市場がオープン。「バカの一つ覚え」、東京市場で返済した「コール裸買い」を再エントリーしていこう。ここまで繰り返せばウンチクはもう不要だ。
【追記1】2021.02.08(月)22:50 欧州市場午後
欧州市場の午後。先物は小幅に上昇、IVは「上げの全盛り」。まもなくNYが到着、その前に一旦返済注文を入れていこう。
【追記1】2021.02.08(月)23:20 全返済
約定せぬまま先物小反落で置いて行かれ、買い板にぶつけて全返済。IVの剥げにも見舞われ、一部の評価を溶かしてしまった。いつものように上昇波に乗せて返済注文を入れたつもりだったが、ソコがド天井だったようだ。こればかりは仕方がない、良くあることと割り切ろう。
そろそろ新高値更新ターンも止まってしまったかもしれないことを念頭に、次のタイミングを狙っていこう。
2102C30000 @+2枚 41.00円 → 返済 71.00円 (+60,000円)
今回確定損益 +60,000円
合計確定損益 +228,000円
【追記2】2021.02.10(水)10:15 コール裸買い 東京市場オープン
水曜日の東京市場オープン。今週月曜日の東京寄り付きで一気に29000円に乗せてきた先物は、それ以降29500円を挟んで一進一退の動き。「上げの全盛り」していたIVも既に全剥げ済み。
明日が東京休場の関係で、水曜日の本日が02SQ最終売買日となっている。休場明けの金曜日は、朝一そのままSQ値が決まる。そんなイレギュラーな事情と、29500円で高値持ち合いが続いている状況から、今日の東京でカバーが入らないはずがない(ゑ?)。
ということで、ヨコヨコ相場をギリギリまで引っ張ったこのタイミングで「バカの一つ覚え、コール裸買い」を再エントリーしていこう。
【追記2】2021.02.10(水)15:05 東京市場クローズ
東京市場のどこかで猛烈なカバーが入り新高値を抜けていく……と思っていたが、超甘かったようだ。妄想乙。それどころかそもそも上昇圧力が消えましたね。それではタイムリミットとなったので返済していこう。
【追記2】2021.02.10(水)15:10 全返済
全返済。次のタイミングを狙っていこう。
2103C29750 @+1枚 44.00円 → 返済 60.00円 (+16,000円)
今回確定損益 +16,000円
合計確定損益 +244,000円