今回のレポートは「激熱10SQ週×魔水×専業メシネタ」と題して、いつものアレ「プロテクティブ・コール」のレポート。「プロテクティブ・コール」はオプション取引らしい派手さはないが、「プロテクティブ・プット」と並んで最も簡素なポジション構成にして基本中の基本、「もっと評価されるべき」スプレッドだ(100回目)。
どうして?ここで断言してしまうが、まずその心が理解できないとオプション取引は一生理解できない(100回目)。だから「プロテクティブ・コール」と「プロテクティブ・プット」は(願わくばオプションをイジりはじめた最初のうちに)必ず会得し、かつ体得しなければならない(会得と体得は違う)。
オプション取引は、あるレベルに達するまでエラく遠回りをするケースが多い(たぶん半分は低品質の教科書の功績だ)。わたしもその一人、時間もカネもムダに消耗する。道中に行き倒れるトレーダーも多いだろう。その道のりは短く平坦である方が良いに決まっている。
まずは基礎の基礎をバッチリ抑えよう。オプション取引の基礎の基礎とは、「プロテクティブ・コール」と「プロテクティブ・プット」だ(101回目)。これらスプレッドの損益が発生する原理原則を、頭のてっぺんから足の爪先まで体に刻み込むのだ(101回目)。そして実戦の場で生かせるまで、先には進んではならぬ。オプション取引でメシを食うと決めたのなら……な(ゑ?)。
プロテクティブ系なんて地味なヤツどうでもいーんで、カッチョ良くPバック決めて爆益ヒャホイしたいんだよ、という声が聞こえた。断言しよう、ムリです。何となく得た利益は、何となく消えていくのがオプション取引。
何となくスプレッドを組んで何となく利益になって何となく損している、というあやふやな状態でトレードを行っていても、オプション取引がそれ以上に上達することは決してないと思う。だからオプション取引は小難しい。その代わりと言ってはナンだけど、理解を深めることで確信的に利益を上げることができるときもあるという、非常に面白い(稀に見る)特徴を持った取引ではないだろうか。
ふうさて、述べたいことは言い終えた(全てはゴミのような教科書もどきのせいだクソったれ、のトコロ)ので、ココで今回のレポートを〆ても良い。が、以下おまけで一応オプション・トレードの現場の様子を見ておこう(見てください)。
2021.10.05(火)23:00「プロテクティブ・コール」エントリー NY市場オープン
まず先物日足を簡単にウォッチ。
先週から先物は続落、水曜日に自民党総裁選イベントを通過、金曜日の日中の下落はここ最近では大きく-900円(-3%)ほど。ここまでのマーケットの流れは以下の「【日々更新】つぶやき録⑧」を参考にしていただきたい。
週が明けて10SQ週の火曜日(営業日は魔水)、NY市場がオープン。マーケットの流れは調整トレンドに入ったような雰囲気だ(雰囲気でやっている)。東京タイム前場に安値27450円を見てからこの時間まで、先物はジワリ反発の流れ。「HLバンド」のHラインにタッチする手前まで戻してきたところで、あ、「レーダーが反応」。スプレッドを新規建て。
SQ週なので「専業メシネタ × ボラティリティ・トレード × ガンマ・トレード」を狙った「いつものアレ、プロテクティブ・コール」を入れた。
読み通り(雰囲気通り)なら、「HLバンド」のHラインまで反発した後、先物はどこかで下落調整トレンドに復帰していくだろう。「ギルドの訓え・三対二の法則」に則り、サゲWIN、アゲWIN、ヨコLOSE。デルタはいつものように微ロングに調整。SQ週なのでそれなりにセータは大きいが恐れずに「セータは無視」でいこう。同時にガンマも大きい。
先物は「HLバンド」のHライン手前まで反発してきたといっても、「プロテクティブ・コール」を仕掛けるには良い先物水準(レンジの安値付近)とは言い難い。なぜならここまでスマイルカーブは「下げのP剥げC盛り」をしてきたので、ここから先物が上昇すればコール買玉は「上げのP盛りC剥げ」で剥げ上がってしまう。「魔水・魔木」近々で予想外の急騰でもあれば「上げの全盛り」も期待できるだろうが、先物上昇パターンではコールの剥げ上がりと+ガンマ(ガンマ・プラス)の綱引き勝負になりそう。
そうは言ってもこの時期(満期直前)のガンマ線バーストは宇宙最強の破壊力を持っている。だからもし剥げ上がってもそこまで悪い結果にはならないだろう。
2021.10.06(水)12:30 東京市場後場オープン
一夜明けて「魔水」の東京市場後場がオープン。昨晩「プロテクティブ・コール」をエントリーしたNYタイムに先物は確かに「HLバンド」のHラインにあった……はず、だが。なんと東京市場前場に「HLバンド」のLラインを突破。さらにランチタイムに一段安し「等倍アノマリー」を達成、安値27170円まで刺さった。上極から下極まで好き勝手に暴れまわる始末で、やはり弱い(雰囲気でやっている)。
スマイルカーブはV型に「下げの全盛り」となっており「ErisC」は+3.5%、「ErisP」は+7%に迫る大盛り。ペイオフダイアグラムの現値線はポジション組成時と比較して、ゼロラインから+方向(上方)に浮き上がっており、スプレッドの評価に貢献していることが分かる。「プロテクティブ・コール」の評価益にベガ益が内包されている証だ。
結果的にエントリーから短時間で先物順行×コール盛りとなり、自分で言うのもナンだけど、文句の付けようがない華麗かつ優美な「ボラティリティ・トレード」となった( ドヤ顔 をしていても雰囲気でやっている)。ただ先物は下に行ってしまったのでガンマの効果は得られなかった。
おそらく今日の東京市場はココまでだろう。東京市場の後場は「BOJ」を期待した動きになりやすい(実際に BOJ が入るかどうかは知らない)。それでは一旦「プロテクティブ・コール」は返済していこう。
2021.10.06(水)12:35 先物(ミニ)返済 東京市場後場
通常、スプレッドを解体するときはオプション建玉を先に返済する(約定しにくい順に外していく)。しかし今回はまず先に「50円は誤差」で暴れまわる先物を返済。後場の買戻しの大波に巻き込まれないうちに処分してしまおう( BOJ や BOJ もどきが入ると数百円は簡単に戻してしまう)。
コール買玉のC290の板は上の画像のように、3円買4円ヤリとなっている。まず4円ヤリに返済注文を入れて順番待ち、約定を待とう。その間に先物動向などで3円買の板が売り切れそうなら直ぐに3円にぶつけて返す算段。
右手をマウスに乗せて人差し指を浮かせ、カーソルは板にぶつけるワンクリック手前で待機、またたきの瞬間をも惜しみながら先物板とオプション板を交互に睨むオプション・トレーダーの図。
いつも思うのだが、人力オプション・トレーダーは皆さまこうなのかな。貧乏ゆすりはしないけれど(ずいぶん前に努めて治した)息は勝手に止まるし、奥歯は勝手に食いしばっているし、妙に孤独感を感じる瞬間(だいぶ長く約定を待つこともある)。もし皆さまも同じなら、次からは孤独ではないと思うようにしよう。ギルド集会所に赴けばそこには多くの仲間が待っている。
2021.10.06(水)12:55 全返済
4円ヤリで返済に並んでいたコール買玉が約定、全返済。一片の悔いナシ、次のタイミングを狙っていこう。
2110C29000 @+2枚 建値 18.00円 → 返済 4.00円 (-28,000円)
2112M @-1枚 建値 28105.00円 → 返済 27295.00円 (+81,000円)
今回確定損益 +53,000円
合計確定損益 +53,000円