今回のレポートは世界同時株安の局面で七転八倒している様子がうかがえる。単純に暴落=「プット・バック・スプレッド」とはいかない難しさをご覧いただき、今後のトレードの参考にしていただければと思う。
2018.10.6(土)01:15 プット・バック・スプレッド
今週は月火ダマし上げ・水木金下げのパターンとなった。金曜NYタイムのこの時間になって前日安値を更新。もしかしたらこの水準23500円近辺でレンジの下限を形成するのかもしれない。
コールの激盛りがATMまで伝線している。プットOTM以遠はまだ無反応。レンジの下限付近で反発を想定すると、盛っていたコールは剥げ上がるはず。
しかし「VIX」が急上昇していることや市況や雰囲気を考えると、いま迂闊にボラティリティを売るのは危険だ。まして三「連休」前。
よって単純に盛っているコールを売って先物をロングする「カバード・コール」や、コールの期近を売って期先を買う「コール・カレンダー・スプレッド」など、ショートスプレッドという選択肢はない。レンジの下限だがオプションは売れない、こんなときは「プロテクティブ・プット」もしくは「プット・バック・スプレッド」だ。
今回は「プット・バック・スプレッド」を組んだ。期近は来週SQなので次限月を使い、コールから伝線盛りしているITM~ATMを売り、OTMを買う。
「プット・バック・スプレッド」はボラティリティ・ロングのスプレッドなので、ジワジワやられることはあっても「即死ポジション」ではない。なので三「連休」中、心にも優しい。
「プット・バック・スプレッド」にとって本当にうれしいのは、先物の上昇だ。そして下落に弱い。この事実は「教科書には書かれていない」(なんなら正反対に解説されている)ギルドの訓え、理論と実践の違い。
これは「上げのP盛りC剥げ」、「下げのP剥げC盛り」の原則が関係している。「ブラックスワン」級の暴落があれば原則が崩れるので話は別だが、このポジションを実践したことがあるトレーダーなら良く意味がわかると思う。
で、色々とゴチャゴチャ書いてはいるが、一言で言ってしまうと「skewの変化」のこと。先物が上げるとskewは立ち、下げるとskewは寝る。
それでskewの立ちを取りに行くのが「プット・バック・スプレッド」、skewの寝を取りに行くのが逆符号のスプレッドである「プット・レシオ・スプレッド」。ただこれだけの話。
「時間的影響を排除したスマイルカーブ」。期近が期先を上回っており、来週の波乱を予見しているようにも見える。FOTMまで盛り始めたらいよいよだ。三「連休」明けの火曜日をお楽しみに。
2018.10.9(火)09:10 経過
三「連休」明け。昨日は金利上昇と同時株安懸念からNYタイムに23365円まで下押しがあったようだ。
本日の東京タイムは金曜引値から-100円程度でスタート。今のところ窓埋めはなく寄り付きから続落。また昨日は国慶節明けの中国がー3.75%となり、今日は中国市場にも連動しそうだ。
期近のIVはATMを中心に下落、期先はほぼ変わらず。skewも寝たまま起きず、マーケットに危機感は感じられない。
ジリ下げなので評価損となっている。「プット・バック・スプレッド」にとって最もキツい展開。
「時間的影響を排除したスマイルカーブ」。プットの期近はドッサリ落ちているのがよくわかる。
第二幕に続く……