今回から連載していくレポートは、システムトレーダーとして現役で活躍する「コロイ」氏にインタビューを行ったものである。実は彼は以前の「3.11東日本大震災の一週間」というレポートにも登場している人物だ。
2010年、当時4500名を抱えるFXコミュニティの内部向けとして編集されたインタビューではあるが、時を経ても劣化しない内容であるため、「ゑもんレポート」に再アップしていこうと思う。
2019.07.26追記
うぁコレ僕が9年前FXトレードのインタビューされた時の記事ですね!懐かしいなぁ。伝説のトレーダーを目の前にして酷く緊張したのを覚えている(^^; https://t.co/194zXSuagz
— コロイ (@okachan_nem) July 25, 2019
・システムトレーダー
「コロイ」氏とわたしの出会いは古い。10年来の親友であり、またマーケット(主戦場)や手法は違えど共に切磋琢磨してきた戦友でもある。わたしのように感覚的なトレードを好む裁量トレードタイプとは対照的に、彼は一貫してアルゴリズムによるトレード、いわゆる「システムトレード」を追求する生粋の「システムトレーダー」と言える。
システムトレーダーというと人間味のないイメージを持つかもしれないが、彼の最大の魅力はその「人間臭さ」にある。
仕事、収入、家族、人生において起きる様々なイベントに翻弄され、思い悩みながらも生活の全てをトレードに捧げようと常に前を向く謙虚かつ献身的な姿勢は、賞賛に値するとわたしは思っている。
とにかく彼は「停滞」を嫌う。トレードにおいては常に観察と検証、また最新の技術の研究を怠らない。そうして毎日少しづつではあるが10年超もの期間に積み上げてきたシステムトレードの知識と経験は、今となっては計り知れないものとなっているだろう。
わたしからは既に名職人の域に達しているように見えるが、「停滞は罪」だと知っている彼は今でも満足することはなく決して立ち止まらないのだ。
ウマく遣り繰ってオイシイところだけをかすめ取ろうとする人間も多いが、そんな賢そうな「フリ」をしている人間より、彼のように非効率で不器用かもしれないが自助努力を惜しまない人間の方がよっぽど魅力的だと思う。スマートな近道より、泥臭い遠回りほうがわたしは好きだ。
・優位性の宝庫
また彼ほど多くのマーケットに精通したトレーダーをわたしは知らない。
2005年、まず彼は株式市場でこの世界の魅力に憑りつかれた。やがてシステムトレードに目覚めると通貨市場に転向。その後、わたしと共に「ギルドの始祖」の元で日経225先物オプション市場で(教科書には書かれていない)オプション・トレード技術を学ぶ。
そして体得したオプション・トレード技術を応用し、商品先物市場で実践的トレードを行った。ここまで既にトレード歴は15年。そして現在は持てる全ての知力を注ぎ込み、ビットコイン先物オプション市場で精力的なトレードを行っている。だが停滞することがない彼にとって、終着点にするつもりはなく通過点に過ぎないのだろう。
絶対に立ち止まることがないそんな彼に行ったインタビューは、通貨市場でシステムトレードを行っていた2010年(シーズン1)と2012年(シーズン2)の二度。
「暗号通貨(仮想通貨)市場はまさに現代のフロンティア」と彼は語る。成熟した日経225オプション市場とは異なり、BTC(ビットコイン)オプション市場は優位性の宝庫であり、オプション・スプレッド戦略が見事にワークすると言うのだ。
もちろん詳細を聞くまで手放しで信用することはできないが、彼からそんな話を聞かされてしまっては、第3弾の追跡インタビューを申し込むしかないだろう。インタビューを受けることを快承してくれるとは限らないが、実現できることをわたしは心から楽しみにしている。
「コロイ」氏はツイッターで活発に情報発信を行っているので、興味がある方はフォローしてみてはいかがだろうか。
・「コロイ」目次