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■具体的にバックテストはどのように行っているのですか。
□これはあくまで自分のやり方ですが、例えば10年分のプライスデータがあるとしたらそれを半分に割ってそれぞれのパラメーターを最適化します。そして標高値も確認しながらその中間値のパラメーターを取ります。
ただし最適化したパラメーターの値がかけ離れている場合はその戦略が長期にわたって有効ではないと判断し採用しないこともあります。簡単に言うとそんな感じですね。つまりバックテストで最も利益が出たパラメーターは外して運用を行うことになります
■期待値は何を基準としていますか?
□PRR(悲観的リターンレシオ)=1です。PFを期待値としても良いのですが、少ないデータ数では信頼性に欠けるので僕は使いません。またサイジングをおこなった場合の期待値として「幾何平均トレード損益」を使っています。
・最低だったトレード
■いままで最高にエキサイティングだったトレードを一つ教えてください。
□株のデイトレーダー時代に信用取引で満玉を張ったときですね。すごく興奮しましたが、もう二度とすることはないでしょう。
■では忘れられないくらい最低だったトレードはどうですか?
□まだシステムトレードを始めて間もない頃、連敗が続いた次のシグナルを無視し、その後の大きなトレンドに乗れなかったことですね。先ほどお話しした通り、それ以降どんなに連敗が続こうとDDリミッターに掛かるまでは売買シグナルには絶対に従うようになりました。
■現在のトレード環境を教えてください。パソコンは何台使っていますか?
□自宅にデスクトップが1台、それと持ち歩き用にノートが1台です。
■自宅のパソコンにモニターは何台ついていますか?
□僕には1台で十分でしょう。
■ネット回線は?
□ひかり回線です。
■デイトレーダーを目指していたと仰っていたので、きっとたくさんのモニターが並んでいると勝手に想像していました。比較的質素なトレード環境だと思いますが、あなたにとってそれは充分な環境なのですか。
□モニターがたくさん並んでるとカッコイイですよね(笑)しかし僕は多くの個別株銘柄を見るわけではありませんし、チャートとかプライスアクションとかは見ませんので必要ありません。
・トレードの勝敗にまったく感情はない
■一般的なトレーダーにはない、あなたの最大の強みはなんですか?
□あえて自分を抑制をしなくても、一つの勝敗に対して感情が左右されないこと。
■一般的なトレーダーであれば、少なからず勝ち負けに一喜一憂するものです。それを自ら気付き、自重自戒して、次のトレードへと向かうわけです。つまりトレーダーは自分自身で感情を押さえ込まなければなりません。しかしあなたの場合は、そもそも勝敗に対して感情がまったくわかないということですか?
□まったく感情はありませんね。
■それも驚きです。ここまでのお話を伺っている限りでは、あなたは表情も豊かですし、どちらかというと感情の起伏も豊かなほうだと思います。しかしそんなあなたがトレードに対してなぜ無感情になれるのですか?
□仰るとおり、本来の僕は感情の起伏が激しい人間です。トレードを始めたばかりのころは、勝ったら大興奮して嫁や友人に「それみろ勝ったぜ!」と言い回りました。負けたらデスクトップに蹴りを入れ、マウスをぶん投げてモニターを破壊したこともありました。
そんな僕がトレード結果に対して無感情になった切欠があるとすれば、それはシステムトレードを学ぶようになったことではないでしょうか。
・完全に機械的なトレードに徹する
■トレードでは感情を抑える必要があると知ったからシステムトレードを始めたのですか?それともシステムトレードを始めてからトレードでは感情を抑える必要があると知ったのですか?
□過去の破産経験から感情を抑え、冷静に次のトレードを執行していかなければならないということは知っていました。しかしそれをなかなか実行できませんでした。それで完全に機械的なトレードに徹するしかないと考えました。
システムトレードを始めてからもしばらくは感情的になりシグナル違反をやっていましたが、いつの間にか感情的にはならなくなりました。それは恐らくトレードをただの1回の勝敗で考えるのではなく、長い目で見たときのトータルパフォーマンスで考えるようになったからだと思います。それと自分の作ったシステムを心から信用しているからだと思います。
2019.08.15追記
バックテストが何とも頼りないですねw 今はバックテストの結果を評価するのではなく、バックテストパフォーマンスに対するウォークフォワード効率を評価することが重要かと思ってる^^ https://t.co/EQSHRcSh9G
— コロイ (@okachan_nem) August 15, 2019
(次号につづく)
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