今月2002SQ以降はIV(スマイルカーブ)が良く動き、ここ最近は「ボラティリティ・トレード」祭りとなっている。わたしはごちゃついたスプレッドが苦手なので、こういう相場は最も単純なオプション・スプレッドの一つである「プロテクティブ・なんとか」と「カバード・なんとか」もしくはそれらの合成スプレッドである「フルヘッジ・なんとか・シンセティック」で対応することが多い。
SQ以降、前号までのオプション・ショートの「カバード・プット」やオプション・ロングの「プロテクティブ・コール」などの「ボラティリティ・トレード」のレポートと合わせて見ていこう。別々のレポートとはなっているが、相場の流れとそれぞれのポジション取りはつながっている。
今回のレポートは「ボラティリティ・トレード」をオプション・ロング(プロテクティブ・プット)で行っていったレポート。しかしボラティリティは取れずに失敗パターンとなってしまった。よってその場合の「敗戦処理」の方法の1つとして参考になればと思う。
それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2020.02.18(火)14:55 プロテクティブ・プット 東京市場クローズ
まもなく火曜日の東京市場がクローズ。前場に前号のレポートにある「カバード・プット」を返済した。この時間の先物は-400円ほど、IVはキレイな「下げのP剥げC盛り」となっている。ただしコール盛りは既にATMを通り越してOTMプットにまで伝線拡大盛りしてきている。
ここから先物が更に下落すればFOTMプットまで盛りは伝線するのではないだろうか。そう考え、まだ伝線盛りが到達していないギリギリのストライクのプットを買い、ミニ買いを当てる最も単純なオプションロングのスプレッド、「プロテクティブ・プット」をエントリー。デルタはニュートラルに合わせた。
スマイルカーブの前日線(黄色い点線)が示している通り、昨日の大剥げから盛り返していない(伝線していない)ストライクのプットを買っているので、もし先物は下落せずに上昇に転じたとしても剥げで大きくヤラれることはないだろう。「三対二の法則」という「ギルドの訓え」を忠実に実行していこう。
ポジションはNSに持ち越し。このマーケットの様子なら早ければNYタイムに収穫できるだろう。
2020.02.19(水)10:50 プット売玉返済 東京市場午前
水曜日の東京市場。昨晩のNYタイムに収穫できるとは、とんでもない思い違いだった。昨晩NYタイムの先物はほとんど停止状態で推移。明けて東京市場の先物は寄り付き上窓、23000~23500円のレンジ内に戻っていく展開。
先物の下落警戒感が薄れたことでIVも剥げてきそうだ。そうなるとホールドしていた「プロテクティブ・プット」にとって、すこぶる都合が悪くなりそうだ。プット買玉を返済し「プロテクティブ・プット」はいつものパターンで「敗戦処理」し「解体」、ポジションは「ミニ買い」のみとなった。このまま先物上昇に乗っていこう。しかしもし先物が上昇していかないようなら更に次の手を準備しておこう。
2003P21000 @+6枚 33.00円 → 25.00円 (-48,000円)
今回確定損益 -48,000円
合計確定損益 -48,000円
2020.02.19(水)13:25 東京市場午後
この時間も先物は上昇を続けている。しかし一旦の反発目処となりそうな23500円に近づき、上値も重くなってしまいそうだ。後場の反落が始まる前にホールド中の「ミニ買い」を返済していこう。
2020.02.19(水)13:30 全返済
全返済、「敗戦処理」完了。当初の「プロテクティブ・プット」は失敗と終わったが、何とかカバーすることができた。次のタイミングを狙っていこう。
2003M @+3枚 23155.00円 → 返済 23445.00円 (+87,000円)
今回確定損益 +87,000円
合計確定損益 +39,000円