昨日はマーケットの歴史に残る1日となった。トレードは以下の2つで凌いだ。どちらも「プロテクティブ・プット」だ。
引き続き「環境の変化」には細心の注意を払っていこう。それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2020.03.10(火)09:05 コール裸売り 東京市場オープン
火曜日の東京市場がオープン。まずは昨晩の米主要三指数から。「CB」がかかったダウは結局-2000ドル安超、過去最大の下げ幅(下落率ではない)。VIXは61ポイントを付けている。しかしマーケットの緊張感はやや緩んだように感じる。「環境の変化」は短期的でほぼ日替わりと言えるが十分に注意していこう。
寄り付き、先物は高く始まってから伸びていかないのを確認し、「コール裸売り」をエントリー。
2020.03.10(火)09:25 ミニ買い
250円は誤差、先物はさすがに荒い値動き。「ミニ買い」を新規建玉。合成ポジションはデルタ・ニュートラルの「カバード・コール」となった。このポジションでしばらく様子をみていこう。
明日は「魔水」だが今日のところはマーケットの不安感は和らぎそう。昨晩までは先物が少し下落しただけでサクサク盛ったプットだが、今日は数百円幅で下落しても一切盛らないのが「環境の変化」だ。
よってこのままマーケットが落ち着きを取り戻すなら、ここまで激盛りしてきた期近(残存3日)のIV(画像の通りATMで60%近くある)は、いずれ何も残らないほど「ドッスン」と盛大に剥げ散らかるだろう。
昨日までは先物下落でサクサク盛ったプットが、今日になって盛らなくなるという「環境の変化」に気が付かずに、今まで通り「プロテクティブ・プット」を入れていくとあっという間に損失の山ができる。マーケットの変化、特に「ボラティリティ(IV)の変化」に対して臨機応変に対応していくことは、オプション取引を長く続けていくためにとても重要なこと。
ボラティリティの感度を計る高次グリークス「ボンマ = vomma」(ベガのベガ、別名ボルガ = volga)などを観察しているオプショントレーダーもいる。(わたしは見ていないが)自分がやりやすい方法で「環境の変化」を計ると良いと思う。
ギルド集会所の名言集
以下、今日の「ギルド集会所」の会話。(グリークスの)「どこ?」で損して得しているのかを理解しないとオプション取引の経験値は積めないよ、というお話し。教科書には書かれていない、ギルドの訓え。
特にオプション売りは勝手に儲かるので、そればかりの方は(デルタ・ガンマ・セータ・ベガの)「どこ?」(で損してまた儲けているのか)が分かってない方が多い印象です。セータで(時間経過で勝手に)利益が上がるのは知っているが、実はその中でガンマでヤラれ、ベガでもヤラれていることに気が付いていない。だからこういう相場で吹き飛びます。
(逆に)最近「オプションが熱い」と聞いてオプ損(オプション取引を)はじめた方はOP買い(オプション買い)で早速儲けていると思いますが、(デルタ・ガンマ・セータ・ベガの)「どこ?」で利益が上がったのかを理解しないと生き残れません。こんな相場(暴落相場)はいつまでも続かないので、教科書に書いてある「先物下落でプロP(プロテクティブ・プット)」(が利益を出す)なんていつまでも通用しないです。
Toki 氏
・オプションってバックテストだけじゃ理解しにくいから難しいですよね
・先物の動き、ボラティリティ、残存、色々な条件と雰囲気が絡むから、その辺の流れを感覚で理解したいところ
・オプションってほんとその場の雰囲気が反映されてるようなもんですから、完全な再現性はないですからね
千葉 剣 氏
いい言葉です。長くやっても初心忘るべからず、なんとなくやってなんとなく勝った人は、なんとなくやられて退場となるでしょう。今回の暴落はいい経験になったと思います。次回いつ来るかは分かりませんが、その時までに成長して今回以上に儲けられるでしょう。どうやって勉強するのって?目の前にある「ゑもんレポート」とyoutube(ゑもんレポート)を見れば確実に成長します。
今回は以上。Toki 氏と千葉 剣 氏、お二方とも超優秀な先輩だ。もちろん「ギルド集会所」にはお二方以外にも優秀で勤勉な仲間が大勢いる。
オプション取引を真に理解し、実践し、長く生き残っているトレーダーは本当に少ない。実践的な教科書も存在しないに等しい。この「ゑもんレポート」はなるべく真に迫るよう書いているが、それでも真意や細部までは伝えられない。だから今以上にレベルアップを望むなら、優秀な実践者に直接聞くしか方法はない。
もしあなたが一人で悩んでいるのなら、「ギルド集会所」に参加してみるもの良いと思う。
結局、マーケットはその時々で違うのだからオプション取引も「環境の変化」に合わせ様々な状況を勘案し、その都度最もオプションの優位性が生かせるであろうスプレッドを考えて対応していかなければならない。「こうすれば儲かる」などといった体系的・画一的な方法などはないのだ。
2020.03.10(火)14:50 東京市場クローズ
まもなく東京市場はクローズ。今のところ安値18885円~高値19970円の標高1085円と値幅は大きくなっている。リバウンドと言えばリバウンドだが、弱々しくもウソくさいダレた相場。
次の変化が見えるまで「カバード・コール」を放置してみよう。コール売玉はNTM~ATMなので先物下落のコール盛りをしなければ何も問題はない。ショートに傾いたデルタもこのままで良い。
今日の日中は穏やかな雰囲気となった。そんな日は先週も1日だけあった。 今のところのマーケットは小休止してるが、「コロナショック」は終わったとは考えない方が良いだろう。
2020.03.10(火)17:00 欧州市場オープン
欧州市場がオープン。これはダメだ、IVは早速盛ってきた。「あれ?」と思ったらオプション・ショートは即返済、オプション取引「鉄の掟」。返済して次のトレードに備えていこう。
2020.03.10(火)17:05 全返済
全返済。次のタイミングを狙っていこう。
2003C20000 @-1枚 180.00円 → 返済 245.00円 (-65,000円)
2003M @+2枚 19050.00円 → 返済 19495.00円 (+89,000円)
今回確定損益 +24,000円
合計確定損益 +24,000円