前号・前々号のレポートで【絶対に覚えておきたい超基本の「プロテクティブ・コール」「プロテクティブ・プット」】をアップした。今回は「プット裸買い」が良トレードとなったのでレポートにしていこう。
前号・前々号のレポートは以下からどうぞ。それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2021.01.28(木)12:45 プット裸買い 東京市場午後
木曜日の東京市場後場、今朝「FOMC」を通過したマーケット。200円ほどの下窓で寄り付き、27870円まで売られた後の切り返しが一服。ここまで大盛してきたIVも少しは落ち着いてきた。しかしこれはもうダメかもわからん。こうなってしまっては、もうしばらく先物の上値はなさそうに思える。いや、わかんないけど。
…ということで「レーダーが反応」。IVは20%を超え、昨晩のVIXは37%を付けている。先物の下落により、特にプットは盛りで敏感に反応する相場付きであることが確認できた。プットを買っていくのに絶好のタイミングが到来、というわけだ。「下げのP剥げC盛り」となる一般的な(平常運転の)相場環境ではない、というところが今回のレポートのポイント。
この局面なら「プロテクティブ・プット」を仕掛けていくが良さそうに思える。しかし既にプットは+3%ほど盛っているので、ここ最近の水準で比較すると割高なスプレッド感は否めない(今後の流れ次第では超割安なスプレッドかもしれないが)。ここはトレーダーの性格で意見が分かれそうだ。
またスマイルカーブを観察すれば一目瞭然だが、「プット・バック・スプレッド」は完全にナイと分かる。買玉となるFOTMプットの盛り方に対して、売玉となるATMがあからさまに盛り足りない。オプション・トレードにおいて「プット・バック・スプレッド」の又裂き地獄ほど過酷なペナルティはあまりないだろう。あのようなムリゲーは出来る限り回避していかなければならない。
そう、スマイルカーブは未だ全盛りには至っていない中途半端な状態だ。28000円が一時的に割れたというだけであり、プット盛りの主因はとりあえず的に安いオプションが買われているだけなのだろう。先物の下落によりIVが全盛りするためには、ここから更に下落が進み、本格的にヤバイ雰囲気となった状態でのプットの売玉の買戻し圧力が必要だ。
だからむしろ逆符号のスプレッドである「プット・レシオ・スプレッド」を仕掛けるというのなら話は分かる。売り屋さんなら歓喜するスマイルカーブの形状だ。
さて、とりあえず「プット裸買い」をエントリー。後場引けにかけて先物下落パターンを当てにして、デルタ・ノーヘッジ(デルタ・トレード)でいってみよう。勝負がNSまで長引くようなら何かしら対応し、「デルタ・ニュートラル」に均した方が良いだろう。
もし先物が前場の高値を超えてきたら、完全に読み違えている。よって「プット裸買い」などキッパリ損切りしよう。また思惑通りに先物が下落してもプットはこれ以上は盛らない可能性もある。これはマーケットのセンチメント次第だが、今後の相場環境を察するのに重要なシグナルとなりそうだ。
2021.01.28(木)15:00 東京市場クローズ
東京市場クローズ。後場の先物は再び下落、プットIV(ErisP)も再び盛り返して前日比+5%の大盛り。ポジションをホールドし、NSに持ち越していこう。
2021.01.28(木)16:45 NSオープン
NSがオープン。東京市場と同様の寄り付き下窓&急落のパターンに期待していたが、そう甘くはなかった。この後、欧州市場のオープンで反発&剥げのWパンチを食らてしまう前に、このポジションは一旦返済しておこう。結局、デルタ・ヘッジしているタイミングはなかった。17:30の欧州市場オープンの様子を観察し、何かしらポジションを取り直すかもしれない。
2021.01.28(木)16:50 全返済
全返済。次のタイミングを狙っていこう。
2102P26000 @+1枚 77.00円 → 返済 115.00円 (+38,000円)
今回確定損益 +38,000円
合計確定損益 +38,000円