一本調子の下落相場は終わり、マーケットは「環境の変化」のときを迎えている。マーケットはどのように変化をし、その場合に最適と思われるスプレッドはどのようなものかを慎重に探っていかなければならない。
今までのレポートにも繰り返し書いてきたことだが、「バカの一つ覚え」で回転トレードを繰り返した後、マーケットの「環境の変化」を見極めていくことはおカネを吐き出さないためにとても重要なことだ。
そんなことをグルグルと考えては「スマイルキャッチャー」で無数に「シミュレーション」を繰り返しているうちに、先週一週間はトレードに入るチャンスをつかむことができなかったが仕方がない。
今回のレポートは週末にトレードのチャンスがあったので「プロテクティブ・コール」をエントリーした内容。それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2020.04.04(土)05:30 プロテクティブ・コール NY市場クローズ
金曜のNSがクローズし今週のマーケットが終わった。新年度入りした今週は週明けからIVが大きく剥げ散らかる展開となっており、マーケットは「環境の変化」を迎えている。先物の値幅は大きいもののマーケットの緊張感は緩んできているようだ。
しかし日本の新型コロナ感染者数は増加傾向を示しており、医療崩壊や首都封鎖ギリギリの状況は先週と変わっておらず、市中の状況は決して好転していない。
今週は一時-1000円となる局面もあったがプットIVは大して盛らず、多少盛って直ぐに剥げ落ちてしまった。週明けからのスマイルカーブを客観的に観察するにIV、特にプットは剥げターンに入っていると言える。よって「プロテクティブ・プット」のようにプットを買っていくポジションはややリスキーに思える。これは前号、前々号のレポートにも書いた。
前号、前々号のレポートは以下からどうぞ。
日足のチャートも載せておこう。IVは剥げターン入りだが、先物は4/1(火)に19000円中心のレンジ収れんからの長い陰線出現で一気に三角持ち合いを下抜けた。つまり二番底へ向かい始めたようにも見える。しかしわたしの場合こういうときの予想なんかは大体はアテにならない。
週末もどうなることやら、週明けの窓(上か下かは知らんけど)を狙って「プロテクティブ・コール」を仕込んで「週越え」していこう。ポジティブかネガティブかは分からないが、今の世界の状況から週末に材料が出ない方がおかしい。SQ週のお決まりの「ガンマ・トレード」ということ。
先月03MSQ週に続き、週明けも激熱の04SQ週となりそうだ。満期一週間前なのでセータがキツいが「セータは無視」でいこう。
SQ週のお決まりの「ガンマ・トレード」?以下のレポートなどが参考になると思う。
2020.04.06(月)15:05 東京市場クローズ
週明け月曜日の東京市場がクローズ。今週は04SQ週となる。週末に「OPEC会合、9日に延期 サウジ・ロシアが泥仕合」「安倍首相が緊急事態宣言準備、早ければ7日に発令」とアナウンスが流れた。日本は先進国で最遅の対応となる。
先物は+1000円の+5.5%、これは「週越え」させた「プロテクティブ・コール」にとって激熱の展開となってきた。コール買玉が持つ(+)ガンマ(プラス・ガンマ、ロング・ガンマ、ポジティブ・ガンマ)が効き合成ポジションのデルタは大きくロングに傾いている。
通常であれば「ミニ売り」を当ててロングに傾いたデルタをニュートラルに戻すところ。しかし(ようやく)政治が動きだしたことでマーケットも新展開を迎えた。今回はポジションをイジらずこのままホールド。緊急事態宣言の発令までマーケットは上昇するだろう(いや知らんけど)、そんな思惑を見込んで先物の上昇に乗っていこう。プラス(+)のデルタ、ガンマ、あわよくばベガのトリプル効果で合成スプレッドの大爆発が得られるかもしれない。
2020.04.07(火)09:10 東京市場オープン
火曜日の東京市場がオープン。まず昨日の米国市場。いま注目のお二人から「NY州クオモ知事、1日当たりの死者数は初めて前日より減った」「トランプ大統領、感染拡大、安定化が始まっている兆候がある」とアナウンス。欧米は感染者数の伸びが鈍化の兆しがクローズアップされ、主要三指数は押し目なく上昇を続け大幅高で終わった。
東京市場の先物も上昇してスタート、19000円にタッチしたことでホールド中の「プロテクティブ・コール」はITM(イン・ザ・マネー)した。
朝寄り後から反落もあるだろうが、いつものように後場引けに向けて高値を付けるパターンを想定しこのまま何も手を加えずに放置していこう。今日は19:00に安倍首相の会見(たぶん緊急事態宣言の発令)が控えている。
2020.04.07(火)16:45 欧州市場オープン
欧州タイムがスタート。先物は一段高し、コロナショック以来の戻り高値に到達した。ホールド中の「プロテクティブ・コール」の巨大化したグリークスに注目だ。
しかし画像のスマイルカーブ上にプロットされたコール買玉のIVは先週末の「プロテクティブ・コール」組成時より剥げているので、残念ながらベガでは負けておりボラティリティ(IV)の恩恵に授かることはできなかった。
先物はまだ上値があるのかもしれないが、この後19:00から安倍首相の会見が控えている。このポジションはゴールに到達した。一旦返済してポジションを(メンタルも一緒に)リセットしていこう。
と、「ドヤ顔」(涼しげに見せかけた)でレポートを書いているように見えるかもしれないが、24h止まることなく上下を繰り返すマーケットとポジション評価を前に本人のストレスは相当なもので、それは口内炎ができるほどだ、ということを付け加えておかなければならない。
2020.04.07(火)16:50 全返済
全返済。次のタイミングを狙っていこうと言いたいところだが、わたしはしばらく逃走するかもしれない。
2004C19000 @+2枚 56.00円 → 返済 580.00円 (+1,048,000円)
2006M -2枚 17690.00円 → 返済 19370.00円 (-336,000円)
今回確定損益 +712,000円
合計確定損益 +712,000円