今回も前号のレポートに引き続き「プロテクティブ・プット」で「ボラティリティ・トレード」を行っていったレポート。平時のマーケットでは通用しずらい手筋なので、コレで取れる間は確信的に「バカの一つ覚え」、何度でもしつこく繰り返し仕掛けていこう。期近の残存日数が十分にありセータが緩いのも好都合だ。
また「プロテクティブ・プット」のようなオプション・ロングのスプレッド全般に言えることだが、ハマると救いようがなくなる。よって失敗したときの対応をあらかじめ考えておかなければならない。「敗戦処理」の方法などは過去レポートを参考にしよう。
さらにマーケットの「環境の変化」に敏感にならなければならない、と注意書きを加えておこう。このような先物下落でプットが盛る(ある意味で特異な)相場に慣れてくると感覚がマヒしてしまって、平時のマーケットでは先物が下落すると「下げのP剥げC盛り」となることを忘れてしまう。
すると先物が下落してもプットIVが盛らなくなったことに気が付くのが遅れてしまう(どうせ先物が下落すればまたすぐに盛る、と勘違いをしてしまう)。
つまりマーケットが(平時に戻って)現在とは真逆の環境に変わったことに気が付かず「プロテクティブ・プット」を繰り返し仕掛けていると、あっという間に損失の山ができてしまう。祭りはいつかは終わる、だから感覚を狂わせないよう慎重にやっていこう。
繰り返しになるが基本は(平時は)「下げのP剥げC盛り」、先物は下落するとプットは剥げる。今は特別な事情で(お祭りとなっていて)先物下落に合わせてプットが盛る状況となっているだけだ。
前置きが長くなってしまった。それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。今夜も「ボラティリティ・トレード」祭りだぞ!
2020.02.21(金)09:25 プロテクティブ・プット 東京市場オープン
昨晩のNY市場で「プロテクティブ・プット」を返済した。昨晩のトレードのレポートはこちら。
返済後にダウ株が「2分間で200ドル下落」というプチ・フラッシュ・クラッシュによりIVは更に大盛りとなった。「今日はここまでだろう」と思って返してしまった後にコレだから、本当に相場は分からない。
さて明けて東京タイムがオープンし先物が上昇に転じるとIVは剥げ。先物が前日比プラスまで戻し、かつ「ErisP」がカックン剥げてきたタイミングで再度プットを拾っていこう。「プロテクティブ・プット」を再エントリー。デルタはニュートラルに調整。
東京市場は明日から三「連休」となる。今週のマーケットの雰囲気から、ザラ場大引けまでには剥げたIVも盛り返してくるはずだ。
2020.02.21(金)15:10 東京市場クローズ
東京市場がクローズ。先物は-180円安の安値引け、IVの高反応も健在でさっそく微益が乗ってきた「プロテクティブ・プット」をNSに持ち越していこう。
2020.02.21(金)17:00 欧州市場オープン
日中の先物は安値引け、NSは下窓で寄り付き、合わせてIVも盛ってスタート。先物下押しのタイミングでは「プロテクティブ・プット」の評価にベガ益がドカッと乗った。相変わらずIVはすこぶる反応が良い。
この神経質な様子から先物が下げるたびにIVは跳ね上がり、アホボラ相場に発展する条件が揃ってきたように思える。それもこの後の先物の動向次第だ。
「プロテクティブ系は鮮度が命」、いつもならここらで「さて返済していこう」と言い出すタイミングではあるが、今回は引き続きポジションをホールドし先物一段安に賭けてみよう。今夜も「ボラティリティ・トレード」祭りだぞ!
2020.02.21(金)18:00 欧州市場午前
欧州市場がオープンして1hが経過した。先物は反発してNSオープンで空けた下窓を埋めた。合わせてプットIVも剥げ。
ホールド中の「プロテクティブ・プット」の評価は先ほどから半減。評価益が溶けることなど毎度いつものことだが、メンタルは揺さぶられる。トレードはこの繰り返し。生身の人間ツラいっす。
しかしここまで来れば評価益が全溶解することはあっても(たぶん)損失となることはない、また「まだあわてるような時間じゃない」ということでNY市場のオープンあたりまで気絶しておくとしよう。気になるくらいなら見てない方がマシだ(ただし上・下で価格アラートは忘れずに)。
2020.02.21(金)23:35 NY市場オープン
NY市場がオープン。先物ヨコヨコ、IVは高止まり、VIX16ポイント台、ドル円は1121円手前。さて今日のNY市場はどのような展開となるのか、様子を見ながら「プロテクティブ・プット」をホールドしていこう。
次号につづく。