「ぜんぜん盛らんですね。P190プロP(プロテクティブ・プット)で死にかけてましたがガンマ効いてなんとか救えました(汗)殺られるかと思いました」【ギルド集会所】より。
それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2020.03.10(火)17:15 プロテクティブ・プット 欧州市場オープン
東京市場の日中は500円下げて1000円上昇、IVは穏やかに低下する展開だった。しかしNSになり様子は一変、IVは盛り盛りと盛り始めている。「環境の変化」だ。
日中からホールドしていた「カバード・コール」(前号のレポート)は即座に返済し、「プロテクティブ・プット」をエントリー。デルタは微ショート。
前号のレポートはこちら。
2020.03.10(火)18:00 敗戦処理のプット買玉調整
先物は上昇に転じIVも剥げ、見事にスーパーどん底ショートを決めてしまった。まいった、「環境の変化」を見誤ったようだ。良くあることではあるがデルタ・ショートも仇となり既にマイナス5万円クラス、これはドハマりしてしまうかもしれない。
「プロテクティブ・プット」はオプション・ロングと言えども現在の超ハイIV水準から「ドッスン」されると想像以上に大きな損失となる可能性がある。ダメと思ったら即「敗戦処理」、リバウンド相場の継続を前提に対応していこう。
「トレーダーズ・トリビューン」シリーズでお馴染みの「コロイ」氏のツイッターより。
自分も2015年のチャイナショックでオプションで一撃200万飛ばした経験あり。それはOPの売りではなく買いで最後に大剥げ喰らって出した損失だったのでさすがに辛かった。。。
— コロイ (@okachan_nem) March 10, 2020
03P18500のプット買玉@+3枚をガッツリ損切りし、寄せて03P19000を新規買建て@+1枚。デルタはロング。
2003P18500 @+3枚 170.00円 → 返済 100.00円 (-210,000円)
今回確定損益 -210,000円
合計確定損益 -210,000円
2020.03.10(火)20:25 プット買増玉
むむ、先物は20200円まで上伸するも今度は反落の兆し。とりあえずプットを買増玉しデルタ・ロングからニュートラルに「デルタ調整」。「敗戦処理」から再び「プロテクティブ・プット」を立て直していこう。このまま先物の下落が進めばプットは盛らずともガンマで救えるかもしれない。
しかし迷い相場に巻き込まれて自分までアタフタするのは非常に良くない兆候だ。冷静に対応し、さっさと脱出しよう。
2020.03.11(水)00:40 NY市場午前
NY市場、ダウは先物は寄り天。+1100ドルから上げ幅を全て溶かしマイ転する驚きの展開(米主要三指数は全てマイ転)。先物も19000円を割りそうだ。NS高値から-1200円したことになる。連日の異常な値幅にもいい加減に慣れてきた。
結果的に「プロテクティブ・プット」の評価は持ち直したが、このようにエントリーのタイミングをミスると苦労する。
ガンマ・トレード
上のペイオフダイアグラムの画像にあるグリークスの通り、オプションの残存はわずか2.35日なので「プロテクティブ・プット」に積まれているベガはほとんどないに等しい。故にIVが盛っても剥げても評価に大きな影響はない。
ポジション評価の持ち直しに貢献したのはガンマ、プット買玉がATMに接近してきたことでガンマが効いてきたからだ。ガンマが最大値を取るのは期近のオプションがATM化するときで、残存が少ないほどガンマ曲線はATMを中心に尖度が大きくなっていく。
つまり満期直前のオプションがATMを通過するとき、ガンマの効果によりデルタの爆発膨張が起きるということだ。このようなオプション特性を利用しガンマを取りに行くトレードを「ガンマ・トレード」という。
とは言っても今回ばかりは「コロナショック」で全てのオプションが(グリークスが)既に超巨大化しているので、平時ほど「ガンマ・トレード」の恩恵は期待できない。
SQ週の「ガンマ・トレード」の代表例が以下のレポート。「ボラティリティ・トレード」と合わせてオプション・トレードの上達を目指すなら必ずチェックしておきたい手筋だ。
米株のマイ転とプット買玉のATM化(全オプション中でガンマは最大値となった)は非常に良いタイミングなので、「プロテクティブ・プット」も返済していこう(逃走しよう)。
2020.03.11(水)00:40 全返済
全返済。 それにしてもコールは良く盛るもプットはほとんど盛らない。これは何を意味しているのか。「環境の変化」をよく観察し、次のタイミングを狙っていこう。
2003M @+5枚 19525.00円 → 返済 19080.00円 (-222,000円)
2003P19000 @+2枚 162.50円 → 返済 430.00円 (+535,000円)
今回確定損益 +313,000円
合計確定損益 +103,000円