前号のつづき。前号までのレポートはこちらからどうぞ。
2020.01.24(金)17:45 欧州市場オープン
NSが始まり欧州各市場は1%を超える全面高でスタート。ホールド中の「プロテクティブ・コール」の評価は悪化。24000円を回復するまでに先物が上昇してくるとコールは剥げ上がるのだろうから「プロテクティブ・コール」はいよいよ都合が悪くなってきそうだ。
全く理解のできない先物上昇に怯えつつ、しかし「まだあわてるような時間じゃない」ということでNYタイムを待とう。
先物上昇は都合が悪い?どうして?
「リバース・コール・カレンダー・スプレッド」にとって先物は下落すると都合が良い。そして上昇には弱い。これは以前から本レポートで何度も言及してきている「教科書には書かれていない」オプションの特性(クセ)の一つ。
これは「プロテクティブ・コール」や「コール・バック・スプレッド」も同様の原理で、先物は下落してくれた方が都合が良く、上昇には弱い。
スプレッドが持つこの特性(クセ)は「いやいや、コールを買っているのだから先物は上昇した方が都合が良いのでは?」と、教科書の解説やスプレッドのイメージと反するかもしれない。しかしスプレッドを成功させる上で(また失敗させないために)特性(クセ)を理解するのはとても重要なことなので、気になる方はぜひ過去のレポートを漁っていただきたい。
Lv0104【コール爆発!三連休明けSQ週のガンマ・トレード|リバース・コール・カレンダー・スプレッド】+210,000円今回のレポートはいつもの「ボラティリティ・トレード」ではなく、「ガンマ・トレード」となる……
2020.01.25(土)04:00 NY市場午後
「米国で3人目の新型ウイルス感染確認」と一部通信社からアナウンスが流れ、NY市場の寄り付き前から先物は下落に転じている。この時間、米主要三指数は-1%程度の下落推移、IVも1%程度の全盛り(スマイルキャッチャーに事故が起きて15m足が飛びました)となっている。
大した下落には至っていないが、IVの反応がすこぶる良好なのは昨日のNYタイムと同じ。決算発表シーズンでもあるが、ウイルス関連は米国でも一応気になってはいるようだ。
先物は昨日NSの安値に並ぶ展開。先物下落に伴うIVの全盛りにより、ホールド中の「プロテクティブ・コール」の評価は一気に改善した。プットよりもコールの盛り方の方が強いところに注目しよう。「プロテクティブ・コール」は先物の下落を望んでいるポジションである理由はここにある。
また債券買い・金利低下の流れも株売りの材料とされているようだ。
2020.01.25(土)04:35 NY市場午後
先物一段安、IV一段高。しかし米株は小反発が始まっており、今日の下落はここまでのようだ。この週末は新型肺炎ウイルス関係の事態は悪化するに違いない。よって週明けは下窓で始まるかもしれないが、しかしそれも気まぐれのマーケット次第なのでどうなるかはわからない。
昨日の返済の失敗も踏まえ、約定するかはわからないが(流動性のないこの時間にオプションを約定させるのはツラい)返済注文を入れよう。まずコール買玉の返済注文から出していこう。もし大引けまでに約定しないようなら別の手立てでカヴァーしていこう。
2020.01.25(土)04:55 全返済
コールの返済注文が約定した。続けてミニ売りをぶつけて返済。教科書には書かれていない、実践的「プロテクティブ・コール」(ドヤ顔)、これで全返済完了。
今回のレポートは「オプション・ショート」から「オプション・ロング」に「ドテン」のタイミングが早すぎたために苦しい局面が長く続いた。最終的には何とか+で逃げることができたので良かったが、マーケットはその時々の地合によって必ずしも売り材料に対して即座に反応を示すわけではないということを改めて認識させられた。
ここまで4回にわたって一連のトレードをレポートしてきたが、結果的には今日のNSから「プロテクティブ・コール」を狙っていけば良かった、というお話。次のタイミングを狙っていこう。
2002C25000 @+12枚 12.00円 → 返済 6.00円 (-72,000円)
2003M @-5枚 23870.00円 → 返済 23570.00円 (+150,000円)
今回確定損益 +78,000円
合計確定損益 +89,000円
おまけ:最後に今晩NSのスマイルカーブの変化を「360倍速スマイルカーブ」(6時間を1分で早送り)で見てみよう。昨日よりも若干盛り方が大きくなっている。
おわり。