コロナショック後に続いている強烈な上昇トレンドを、前号のレポートでは「プロテクティブ・コール」で凌いだ。今回は「プロテクティブ・プット」となる。
前号のレポートは以下からどうぞ。
それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2020.06.05(金)10:30 プロテクティブ・プット 東京市場午前
金曜日の東京市場がオープン。先物は高値持ち合いからの反落。そしてプットは「下げのP剥げC盛り」。プットIV(ErisP)がしっかりと剥げてきたところで「三対二の法則」により「プロテクティブ・プット」をエントリー。
今回の「三対二の法則」とは、いずれにしてもプットは盛る、という読み。ここから先物が上昇すれば「上げのP盛りC剥げ」、逆に下落が進み20500円を割り込めば下落警戒からプットは再び盛り返しそうだ。この水準で先物が停滞してしまうことだけが問題だ。
また今晩NSには「NFP」が控えており、剥げ過ぎからの盛り返しが十分に期待できる環境が整っている。いわゆるイベント盛りだ。これは先物がこの水準で停滞してしまった場合の助けになるかもしれない。
まとめると、「プロテクティブ・プット」を仕掛ける絶好のタイミングに思えるという訳だ。「ギルドの訓え」どおりのトレードをこなしていこう。
以下、ギルド集会所より。
Emon 10:32
ちょっとプット剥げやり過ぎちゃった感
2020.06.05(金)16:45 欧州市場オープン
NSがオープンし先物は23000円にあっさりとタッチ。IVは「上げのP盛りC剥げ」。引き続き「プロテクティブ・プット」をホールドし、様子を見ていこう。
以下、ギルド集会所より。
Emon 17:04
プットから盛り盛りきてんね。 ATM>コール と伝線できるのかご注目
2020.06.05(金)17:45 プット買増玉 欧州市場午前
先物の上昇は止まり「NFP」までは小動きとなりそうだ。プットを買増玉@+1枚。イベントに向けてプットIVは更に盛るだろう。ベガの補充も兼ねてロングに傾いてしまったデルタをニュートラルに戻していこう。
2020.06.05(金)21:05 欧州市場午後
まもなく「NFP」。イベントの通過後にプット、コール共にIVは一旦は剥げることになるかもしれない。それでは返済注文を入れていこう。
2020.06.05(金)21:10 全返済
全返済。次のタイミングを狙っていこう。来週はいよいよ06MSQ週、きっと波乱の相場が待っているに違いない。
2006M @+4枚 22627.50円 → 返済 22970.00円 (+137,000円)
2006P22000 @+3枚 77.00円 → 返済 53.00円 (-72,000円)
今回確定損益 +65,000円
合計確定損益 +65,000円
2020.06.06(土)03:40 その後
結局、先物は23315円まで伸びた。プットIV(ErisP)は最大で+6%、しかしコールIV(ErisC)は最後まで盛ることはなかった。強い上昇トレンド発生時、このスマイルカーブの変化をしっかりと記憶し今後の取引に生かしていきたい。
2020.06.08(月)12:30 更にその後
週明けの月曜日の東京市場、後場がオープン。IVは全剥げの展開。オプション・ロングと言えども大怪我を避けるためにはスプレッドを組むタイミングを計ることは非常に重要だ。「スマイルキャッチャー」で繰り返し「シミュレーション」を行いコツをつかんでいきたい。