今回のレポートも前号の「プロテクティブ・コール」と全く同じ手筋。ただ前号は先物上昇パターンで、今回は先物下落パターンでの返済となった。「プロテクティブ・コール」は地味だが「いつものアレ」と言えるほど優秀なスプレッドの一つなので是非マスターしていきたい。
前号のレポートは以下のリンクからどうぞ。
「プロテクティブ・コール」に関しては以下のレポートなどで詳しく書いているので参考にしていただければと思う。
それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2020.03.24(火)17:00 プロテクティブ・コール 欧州市場オープン
火曜日の欧州市場は+4%~+5%の上昇でオープン、リバウンド局面はNSも継続。日中に返済した「プロテクティブ・コール」(前号のレポート)を再エントリー。リバウンドに乗っていこう。コール買玉が走りラッキーショットとなった。
2020.03.25(水)00:55 デルタヘッジ NY市場ランチタイム
NY市場のこの時間はリバウンド継続、IVは変わらずか微盛り。ダウも+10%に迫っており、明日の先物もこのまま上昇していくのなら、「上げの全盛り」となりそうだ。
昨日と同じパターン(前号のレポート)で「デルタ調整」のプット買玉@+2枚新規建て。合成スプレッドは「プロテクティブ・コール」+「プット買い」となった。「ロング・ストラングル」+「ミニ売り」とも分解できる。
2020.03.25(水)02:00 プット買玉スライド
先物はついに19000円にタッチ。デルタは再びロングに傾いたのでプット買玉をP150からP160にスライドし、デルタをニュートラルに補正。「上げの全盛り」に備えてしっかりとベガを乗せていこう。
2004P15000 @+2枚 89.00円 → 返済 88.00円 (-2,000円)
今回確定損益 -2,000円
合計確定損益 -2,000円
2020.03.25(水)15:00 東京市場クローズ
水曜日の東京市場。まず昨晩の海外マーケットから、ダウは+2112ドルと史上最大の上昇幅(上昇率ではない)を記録。その他の海外市場も+10%前後と大幅にリバウンドが進んだ。
今日の東京市場も一段高、19000円に乗せてくる展開。しかし今日は「上げの全盛り」と考えていたが逆にコールIVは大剥げ、「上げのP盛りC剥げ」となりコール買玉のベガ益は消し飛んだ。完全に読みを外した格好だ。
その分と言っては何だがプットIVは大盛り。先物は+400円ほど上昇してきたにも関わらず、プット買玉は昨晩NYタイムに玉を取ってからほとんど減価していない点に注目だ。これは+ベガ(プラス・ベガ、またはポジティブ・ベガ)の作用によるもので、先物上昇による減価との綱引きが均衡しているということ。もしプット買いではなく「ミニ売り」でデルタ・ヘッジしていたらスプレッドの評価は変わってきていたはずだ。
ポジションはNSに持ち越していこう。
先物あと20分で引け、現在+1110円、19610円でCB pic.twitter.com/rCiVKTqiIk
— ゑもん🐾日経225オプション (@Emon201) March 25, 2020
2020.03.25(水)17:20 欧州市場オープン
欧州市場がオープン。IVは微剥げ、このタイミングでロングに傾いたスプレッドのデルタを、プット買いの追加で調整。プット買増玉@+1枚。
日中に剝げ散らかったコールがNSで盛り返してくれれば良いのだがどうなるだろうか。そろそろ先物は日銀ライン19500円に到達となり戻り高値感が出てきている。きっかけ次第で大崩れを起こす弱い相場なので、急落には十分に警戒しスプレッドのデルタはニュートラルを維持していこう。
2020.03.25(水)20:15 欧州市場午前
「外務省、危険情報をレベル2に引き上げ、不要不急の海外渡航やめるよう要請、全世界対象の警告は初」とのアナウンスが流れた。また東京都からは「感染爆発の重大局面、平日は出来るだけ自宅で仕事、夜間や週末の不要不急の外出自粛要請」とも。
先物は早速崩れた。徐々に下げ足を速め、一時およそ-900円安まで刺した。現在はリバウンドし「250円は誤差」レベルで乱高下が続いている。プットIV(ErisP)は+9%、コールIV(ErisC)は+6%まで急騰。
それでは返済体勢に入っていこう。マーケット早いスピートで乱高下をしているので少しづつ解体していこう。
2020.03.25(水)20:20 ミニ返済
まずショートに傾いたデルタをニュートラルに戻すためミニ売玉から返済。ポジションは「ロング・ストラングル」となった。
2006M @-2枚 18550.00円 → 返済 18630.00円 (-16,000円)
今回確定損益 -16,000円
合計確定損益 -18,000円
2020.03.25(水)20:25 全返済
全返済。毎号の繰り返しにはなるが「環境の変化」には十分に注意を払いつつ次のタイミングを狙っていこう。
2004C20500 @+2枚 94.50円 → 返済 235.00円 (+281,000円)
2004P16000 @+3枚 155.00円 → 返済 250.00円 (+285,000円)
今回確定損益 +566,000円
合計確定損益 +548,000円