前号のレポート「コール・バック・スプレッド」の続き。前号のレポートは以下からどうぞ。
トレードが細かすぎるのでボツ稿にするつもりだったが、とりあえず今回はトレード2回分をまとめて簡単なレポートにした。
過去レポートで何度も書いてきている通り「バック・スプレッド系」は「skewの変化」を取りに行く手筋。「正射必中」のスプレッドであり、かつオプション・ロングなので(「即死ポジション」ではないので)オプション専業トレーダーにとって長い間メシのタネとなっている。
スマイルカーブをじっくりと観察し、しっかりと引きつけてから形(カタ)通りに良く狙い、無心で仕掛けていこう。今は値幅が大きなレンジ相場なので返済は細かく刻み、チャンスがある限りこれを何度でも繰り返す。
仕掛けるコツやタイミングは上記の前号のレポートからリンクを辿っていくと良いだろう。それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2020.03.04(水)10:40 コール・バック・スプレッド 東京市場午前
昨晩はNY市場がオープンすると「FRB、政策金利緊急利下げ-0.5%」と速報が流れた。FRBによる「緊急利下げ」はリーマンショック時からの11年ぶり。2週間後に控える「FOMC」まで待てなかった格好だ。
しかしインパクトは全くなく下落は加速。「コロナショック」危機の最中、これは「FRB史上最大の悪手」となってしまったかもしれない。ダウは一時-1000ドル、ドル円は一時107円割れ、先物も一時20700円割れまで売り込まれた。マーケットは一番底へ向かう展開になってしまった。依然「あかんヤツ」は継続中と見て良いだろう。
明けて水曜日の東京市場はスーパーチューズデー、開票速報が順次流れてくるはずだ。寄り付き15mで前日比-200円から+100円まで300円の爆上げ、くじらっぽい感じだろうか。相変わらずヒドい乱高下の相場だが「50円は誤差」改め「250円は誤差」の相場もいい加減に慣れてきた。
先物上昇でOTMコールのIVが剥げから反発してきたきところで前号のレポートと同じ手筋、「コール・バック・スプレッド」をエントリー。OTMコールの剥げを狙っていこう。先物が上げてきたらオプション特科「戦略スリッパ隊」に葉っぱで参戦だ。
2020.03.04(水)13:55 東京市場午後
ペイオフダイアグラムの谷がゼロラインから浮き上がり、スプレッドに微益が乗ってきた。それではタイミングを見ながら返済態勢に入っていこう。
バック・スプレッドの返済には時間がかかりがち、焦らずじっくりやっていこう。特に枚数の多い買玉の返済はワンティックずれると取れる利益が大きく変わってくるので、無駄にぶつけて返してしまわないよう注意が必要だ。
2020.03.04(水)14:20 全返済
全返済。次のタイミングを狙っていこう。
2003C23000 @+10枚 6.00円 → 返済 5.00円 (-10,000円)
2003C22000 @-1枚 120.00円 → 返済 87.00円 (+33,000円)
今回確定損益 +23,000円
合計確定損益 +23,000円
2020.03.04(水)22:50 コール・バック・スプレッド 欧州市場午後
「コール・バック・スプレッド」を再エントリー。
2020.03.05(木)00:05 FOTMコール買玉返済中 NY市場午前
ペイオフダイアグラムの谷が浮き上がり微益が乗ってきたのでFOTMコール買玉をヤリ板に並べ返済注文中。@1枚売れたので順番は先頭まで来ているが、この様子だと長くかかりそうだ。
この後もしFOTMコールの4円買が売り切れそうならぶつけ、また買玉の処分が進むにつれて先物が上昇してくるようであればミニで手当しデルタ・ニュートラルを維持していこう。板状況が以下のようになっている。
2020.03.05(木)00:55 全返済
売れ残った7枚のFOTMコール買玉は4円で返済、同時にOTMコール売玉も返済。次のタイミングを狙っていこう。
2003C21750 @-1枚 170.00円 → 返済 140.00円 (+30,000円)
2003C23000 @+7枚 5.00円 → 返済 4.00円 (-7,000円)
2003C23000 @+13枚 5.00円 → 返済 5.00円 (±ゼロ円)
今回確定損益 +23,000円
合計確定損益 +46,000円