今週の相場からは先週までの「プロテクティブ・プット」をひたすら繰り返していけば良い、という訳にもいかなかくなってきた。前号はレポートは以下から。
それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2020.03.02(月)14:35 コール・バック・スプレッド 東京市場午後
先週から続くコロナショック相場。週明けの東京市場はリバウンド、朝寄り-300円から+500円まで駆け上がる展開。値動きは非常に荒い。おかげで「50円は誤差」では表現がもの足りず、「100円は誤差」というタグを新造しなければならなくなりそうだ。
マーケットは下落調整局面に入ったことは明らか(だと思う)で、このリバウンドは長くは続かないはず(だと思う)だ。しかし初動の一本調子の下落局面は終わりを迎えた。よって今まで行ってきて来た「プロテクティブ・プット」を今から入れていくにはいささかリスキーな状況となってきた。
それはIVが超高水準かつ残存日数が2週間を切った以上、ここから更に「ドッスン」と剥げられたら、救いようがなくなるからだ。「ドッスン」に巻き込まれるとオプション・ロングと言えども想像以上に大きな損失を抱えることになる。「環境の変化」に気を付けよ、これは警告級に注意喚起しておく。
それならばオプションは売りか?というと、その手もリスキーだ。2番底も見ていないしアホボラも2度刺してない。コロナショックは「まだ終わっていない」と考える方が妥当だからだ。
では、どうしよう。
そこで「コール・バック・スプレッド」をエントリー。デルタは微ロング。先物リバウンドで「ドッスン」と剥げたOTMコールを買い、未だに剥げ渋っているATMコールを売っていこう。ポジションはこのままNSに持ち越し。
「コール・バック・スプレッド」は先物上昇で利益となる、と教科書には書かれているが、これは事実とは異なる。先物のリバウンドがあまり進むと厳しくなるポジション(理論と実践の違い)なので、ほどほどまでにご容赦願いたい(教科書には書かれていない、ギルドの訓え)。
「コール・バック・スプレッド」が利益を生み出す仕組みについて、以下のレポートに詳しく書いてある。
2020.03.02(月)16:40 コール買増玉 NSオープン
NSがオープン。「デルタ調整」のコール買増玉@+1枚。
2020.03.02(月)20:20 欧州市場午前
先物の下落が進むとIVは敏感に反応。「ボラティリティ・トレード」祭りが未だ継続中であること(「環境の変化」がないこと)を確認……でも感度は鈍っている感。「コール・バック・スプレッド」に一気に評価益が乗ってきた。このポジションは先物が下落しているうちは余裕安泰なので(もしクレジット以上に評価益が膨らめば返済すればよい)、このまま放置していこう。
2020.03.03(火)00:50 ミニ買い
NY市場午前。「100円は誤差」の乱高下が継続中。一気に20500円を目指す展開かと思ったがそうではないらしい。米主要三指数はマイ転まで売り込まれた後、下げ渋り。合わせて先物も反発を始めたかもしれない。
やはりマーケットは一本調子の下落相場ではなくなり、その根拠にプットが剥げやすくなっている。今まで通り「プロテクティブ・プット」などに突っ込んでいくと「ドッスン」剥げに巻き込まれて大きくヤラれるかもしれないので慎重に、こういった「環境の変化」には十分に気を付けていこう(何度でも繰り返し警告)。
ホールド中の「コール・バック・スプレッド」にミニ買玉@+4枚を当ててデルタをロングに向けていこう。
2020.03.03(火)02:35 コール買増玉
先物一段高。先ほどの画像と比較し先物は+150円ほど、コール買玉のIVは低下。FOTMコール買玉のプレミアムは全く変化がない(OTMコール売玉のプレミアムは上昇)ことからもそれと分かる。合成スプレッド全体の評価が悪化していないのは、「ミニ買い」によるデルタ・ロングに評価益が移転したからだ。
またプットIVはFOTMから大剥げ、-10%に達している。今日ここまで一日のIV動向を観察しきたが、「コロナショック」の少し前から「バカの一つ覚え」で回してきた「プロテクティブ・プット」を軸に戦略を考えるのは厳しいだろう。祭りは終わった、ということだ。それでも先物次第で祭りは再開するのかもしれないが、今は一旦「環境の変化」が訪れたと考えておこう。
コール買増玉@+3枚。デルタを更にロングに振っていこう。
2020.03.03(火)03:20 ミニ買玉返済
今日はこれ以上は伸びそうにもない。ミニ買玉を返済した。「コール・バック・スプレッド」をホールド。
2003M @+4枚 20915.00円 → 返済 21145.00円 (+92,000円)
今回確定損益 +92,000円
合計確定損益 +92,000円
2020.03.03(火)15:15 東京市場クローズ
昨晩の海外市場から。
ダウは+1293ドルの+5.1%、過去最大の上昇幅(上昇率ではない)となった。「コロナショック」で色々と歴史的レコードが塗り替えられている。
米株の大幅上昇を受け東京市場の先物も上昇して始まり+560円の21730円を付けた。しかし即反落しほぼ寄り天。そしてマイ転した上、驚きべきことに21000台を全て溶かした。夜間安値からの高低差は±1050円。百円の桁の変化は気にならないほど感覚が狂う。
これでは「100円は誤差」では飽き足らず「250円は誤差」状態。この様子では非常に弱い相場が既に始まっていると見ておいた方が良いだろう。
「コール・バック・スプレッド」をNSに持ち越していこう。
2020.03.03(火)22:25 欧州市場午後
この時間、G7声明で失望売り。ホールド中の「コール・バック・スプレッド」はバランスが悪くなってきたし、マーケットの状況も日替わりで変わるので、ここで一旦返済しよう。タイムオーバーだ。
2020.03.03(火)23:00 全返済
2003C23000 @+11枚 33.27円 → 返済 10.00円 (-256,000円)
2003C21500 @-1枚 565.00円 → 返済 370.00円 (+195,000円)
今回確定損益 -61,000円
合計確定損益 +31,000円
全返済。一方的な相場が続くと思い込み、何度も返済のチャンスがあったのにここまでズルズルとポジションを引っ張り不発にさせてしまった。値幅も上下1000円クラスと大きく、先週とは異なり今週は難しい相場となっている。
【アホボラは二度刺す】偉大な先輩の言葉。コロナショックはまだ終わっていないと思うが、迂闊に手は出せない。色々と狂った感覚を戻して「環境の変化」をしっかりと観察しつつ、より慎重に、次のタイミングを狙っていこう。