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Ep0075【「KEN」第12話-カバード・コールはなぜ「失敗」するのか?】

 
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Ep0064【「KEN」第01話(目次)-ベテランの日経225先物オプショントレーダー】
この物語は2011年2月に書かれた古いレポートである。2011年と言えば我々日本人にとって忘れることができない年。そう、あの年に日本は「3.11東日本大震災」に見舞われたのである。 ベテランの日経225先物オプショントレーダー 今回のインタビューの主人公となる「KEN」氏は、「コロイ」氏と共に「3....【つづきを読む】

 

■「」や「」、「」や「」など、単に先物ポジションのヘッジとしてオプションを使うわけではないのですか?

 

□先物ポジションを単にヘッジする目的でオプションを使うことはないかな。オプションを先物や現物の「保険」とする考え方はとても教科書的だね。オプション取引ほど教科書に書かれていることが実践的ではないのも珍しいんじゃないかな。

 

【参考レポート】

 

教科書には書かれていない
「教科書には書かれていない」の記事一覧です。

 

理論と実践の違い
「理論と実践の違い」の記事一覧です。

 

カバード・コールはなぜ「失敗」するのか?

 

■それはどういうことでしょうか?

 

□例えば教科書では「」は現物や先物ロングの保険、と書かれているよね。ようするにロングしている先物や現物はマーケットが下落すると損失が出る。そのとき「保険」としてコール売りを持っておけば、マーケットの下落によりコール売りに含み益が乗るので、先物や現物ロングの損失補てんをしてくれる、というわけだね。

 

■確かに多くの教科書で「」はそのように説明されています。

 

□教科書に書かれていることを参考にして実際に「」を組んだものの、訳も分からず大損した人は多いはずだよ。これはオプション取引が小手先の理屈ではウマくいかない最も分かりやすい例なんだ。オプション取引の実務家であれば「」について絶対にそのような解説は書かないものさ。

 

■今のところを詳しく教えてください。なぜ教科書通りに「」は上手く行かないのでしょうか?

□うん。こう考えると分かりやすいよ。「」ではなく「」のポジションを取っていたとしよう。ここで先物が急落する。すると当然プットのIV(インプライド・ボラティリティ)は上昇するのだけど、同時にコールのIVも上昇してしまう。

 

すると先物が下げたので「」のポジションはマーケットに対して順行しているにも関わらず、上昇したIVがグリークの「ベガ」に作用して「」のポジションはアゲインストに沈んでしまうんだ。なぜこのようなことが起きるかというと、オプション価格を決定付ける「ブラック・ショールズ方程式」が関係している。

 

ブラック・ショールズ方程式」は原資産価格の上昇も下落も同じ確率という「正規分布」をモデルとしていて、オプション価格は原資産価格の変動よりもボラティリティの変化による影響の方が大きい方程式となっているんだよ。だからこの例では、原資産価格の変動とボラティリティの変化の綱引きで、ボラティリティ=ベガが勝ったということだね。

 

つまり」は急落に弱い。だから「」は「保険」どころか、「保険」が効いてほしい最も重要なタイミングで悲劇の「又裂き」となる可能性がある。「オプション特性」への理解が薄い先物ヘッジャーが、先物や現物ロングの「保険」のつもりで「」を組んだのは良いが、結局は「両損又裂き」なんて例は珍しくないよ。

 

■良く分かります。わたしも「」で失敗した経験があります。

 

□先物のヘッジャーはオプションで複雑なスプレッドを組むのを敬遠する傾向が強いんだ。なぜなら基本的に先物ポジションがメインだと考え、オプションはあくまで「保険」であり、損失コストの回収手段。だからせいぜいオプションを「」や「」で利用する程度にしか見ていないんだ。

 

人が見ていないからこそ優位性がある

 

■あなたは先物が含まれないオプション・スプレッドを組むこともありますか?

□もちろん。多くの先物トレーダーは先物が上がると思えばコールを買うかプットを売り、下がると思えばプットを買うかコールを売る。

 

別にそれはそれで良いのだけど、僕のようにオプションをオプションとして単独で見ていて、利益を取りに行こうとする先物トレーダーはあまりいないと思うよ。

 

■そこで先ほどお聞きした通り「オプション特性」によりマーケットに出現する短期的優位性を見つけて利用する、ということですね。

 

□うん。ハッキリ言ってしまうと、オプションを使うほとんどの人はIVなど気にしていないし、スマイルカーブなど見ていない。見ていないし気にしていないから、「保険」などと言って割高なオプションを買ったり、割安なオプションを売ってたりしている。人が見ていないからこそ優位性があるんだね。

 

スマイルカーブなどでオプションIVを見るのはひと手間かかるけど、225先物を見ているのに225オプションとスマイルカーブを見ないのは可能性を捨てているようなもの。僕はもったいないと思うな。

 

相場次第で有効なスプレッド戦略は変わる

 

■なるほど、よくわかりました。オプション取引はその特性を利用した多彩な戦略が魅力の一つです。あなたの好みで構いませんが、最も有用なスプレッド戦略はどのようなものだと思いますか?

□それはそのときの相場次第で変わるので何とも言えない。逆にこの質問はあなたに答えてもらいたいよ(笑)

 

■いえ、わたしはまだまだ修行中の身ですから(笑)。相場次第で有効なスプレッド戦略は変わる、ということですね?では例えば先ほどの例で、無風だったマーケットが急落を始めたらどうしますか?

 

□急落の材料にもよるけど、そのケースで僕がよくやるのは急落によってプットのIVが盛ったらNTM(ニア・ザ・マネー)からOTM(アウト・オブ・ザ・マネー)のプットをショートする。同時に先物をショートして合成ポジションのデルタをゼロにする。デルタ・ニュートラルの「」ということ。

 

■急落によってプットが盛らないケースではどうですか?

□コールが盛っていれば「」、コールもプットもIVは無反応であればオプションに短期的な優位性は見出せないのでオプションでは何もしないと思う。

 

■もし剥げたら「」や「」?

□大きく剥げたらそうすると思う。そんなに難しいことをやっているわけじゃない。スマイルカーブでIVを見て、割高を売り、割安を買うだけ

 

(次号につづく)

 

Ep0076【「KEN」第13話-ロング・バタフライ・スプレッドの優位性】
(目次ページへ戻る) ■少し話は戻りますが、オプション取引で教科書や理論が通用しない具体例はどのようなものがありますか? □例えばバタフライ・スプレッドの優位性だよ。「ロング・バタフライ・スプレッド」はサヤ取り的な見方もあるけど、理論的には無リスクで利益が取れる可能性を持った...【つづきを読む】

 

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