まず「コロナショック」の記録を残すために2003P16000(FOTMプット)の1h足チャートを「記念パシャリ」しておこう。3月5日(木)の日中引け時点、ATMは21500、残存は6営業日だ。
7円→330円→3円、一歩タイミングを間違えば「売るも地獄・買うも地獄」。オプション市場ではこのような狂暴な価格変動が1年に1度くらいは起こる。オプションをイジるときはオプションを深く理解し、仕組みからして「こんなことは当然に起こる」と平時から認識しておこう。
今週、前号のレポートまでは「コール・バック・スプレッド」を繰り返し入れてきた。今回も当初は「コール・バック・スプレッド」を組んでいたが、マーケットの異変を察知し途中から「プロテクティブ・プット」にスプレッドを変更していった。「コール・バック・スプレッド」についての詳細は何度も書いてきているので今回は割愛。
前号のレポートは以下のリンクから。
「プロテクティブ・プット」は2月の後半に何度も繰り返し回転させて「コロナショック」を凌いでいった。個人的に暴落相場時の主戦略と考えているスプレッドだ。詳細は以下のレポート辺りから参考にすると良いだろう。
それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2020.03.05(木)15:00 コール・バック・スプレッド 東京市場大引け
まず昨晩の米国市場から。
ダウは+4.53%の+1173ドル、史上2番目の上昇幅(上昇率ではない)となった。
木曜日の東京市場がまもなくクローズ。昨晩は米主要三指数が大幅上昇したことでマーケットには安心感が出てきたようだ。この時間のIVはOTMプットを中心に大きく剥げ散らかる展開となっている。
現物の引けにかけてスルスルと先物が上げてきたところでポジションは「コール・バック・スプレッド」をエントリー。このままNSに持ち越し。
その都度、マーケットに適宜対応したポジションに切り替えていかないと生き残れない相場だ。コロナショック以来、レポートに繰り返し書いているが「環境の変化」には十分に気を付けていこう。暴落はいつまでも続かない。また何かあればこの楽観ムードも直ぐに壊れ、恐怖相場に一変してしまう耐性のない脆弱なマーケットだ。【アホボラは二度刺す】、これだけの相場で二番底を未だ見ていないことを忘れないようにしよう。
2020.03.05(木)17:15 プロテクティブ・プット 欧州市場オープン
昨晩から日中までの穏やかな楽観ムードとIV大剥げ散らかりから雰囲気は一転。欧州市場オープンからドカドカとOTMプットに買いが入り、IV(ErisP)は盛り盛りと盛り始めた。なんだか雰囲気がおかしい、というかただ事ではない様子がスマイルカーブに表れている。
IVをあっという間に1%も上昇させてしまうほどの非常に雑な買い方だがそれが逆に大人っぽい、これはもしかして仕込み玉……?先物だけ見ていては気が付かないが、今晩先物で売り崩して「あかんヤツ」に発展させる秘密工作が裏で絶賛進行中ではないのか(ホームランドの見過ぎ)。
「プロテクティブ・プット」を新規エントリー。ポジションは「コール・バック・スプレッド」+「プロテクティブ・プット」となった。「カバード・コール」+「ロング・ストラングル」とも分解できる。
続けて「コール・バック・スプレッド」の返済注文を入れていこう。この後IVが全盛りとなりOTMコールは盛るもFOTMコールは盛らず、という状況になりかねない。そうなると「コール・バック・スプレッド」は都合が悪い。買玉の処分に少々時間がかかりるかもしれない。
2020.03.05(木)17:50 コール・バック・スプレッド返済
「コール・バック・スプレッド」の返済が完了。引き続き「プロテクティブ・プット」をホールドしていこう。
2003C21750 @-1枚 150.00円 → 返済 125.00円 (+25,000円)
2003C23000 @+20枚 5.00円 → 返済 4.00円 (-20,000円)
今回確定損益 +5,000円
合計確定損益 +5,000円
2020.03.05(木)19:20 欧州市場午前
昨晩からの楽観ムードから「250円は誤差」相場の最中であることを忘れるところだった。この時間で既に先物-300円超、21000円を割り込む手前まで売り込まれている。「ErisP」はおよそ+5%の大盛りとなっており「プロテクティブ・プット」の評価も膨張。ドル円は107円を割り込み、米10年利回りは再度1.0を下回っている。
2020.03.05(木)23:20 欧州市場午後
まもなくNY市場がオープン。この時間になっても先物の反発はなく、プットIVの上昇は止まらない。ホールド中の「プロテクティブ・プット」のグリークスは更に巨大化。タイミングを見ながら返済していこう。
2020.03.05(木)23:30 全返済
NY市場オープン、全返済。次のタイミングを狙っていこう。
2003M @+5枚 21300.00円 → 返済 20930.00円 (-185,000円)
2003P20000 @+5枚 83.80円 → 返済 200.00円 (+581,000円)
今回確定損益 +396,000円
合計確定損益 +401,000円