今回のレポートは短期的な「プロテクティブ・プット」(プロP)でNY市場オープン時のIV急騰を取りに行ったもの。+G+V(ガンマ・ロング/ベガ・ロング)の「ボラティリティ・トレード」の超基本形と言えるだろう。
以前にも同様の手筋のレポートを書いているので、そちらも合わせて参考にしていただければと思う。この手筋のチャンスは多くはない。しかし時間帯的に兼業トレーダーのデイトレに使えるので、自身の「勝ちパターン」の一つとして引出しにコレクションしておくのはいかがだろうか。
それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2019.10.02(水)22:00 プロテクティブ・プット 欧州市場午後
日中まではやけに底堅かった先物だが、NSのオープンから謎に100円超の下窓。
ここに来て1909MSQ以降、3週間続いた21500-22000円の高値持ち合いレンジ相場から様相が変わってきたかもしれない。昨日のNY市場でアナウンスされたISMは10年ぶりの悪化。この時間、時間外でVIXは19ポイント台まで上昇している。
先物はレンジ下限の21500円付近に張り付き状態。現在のマーケットの健康状態を示しているスマイルカーブの画像の通り、IVはジリジリと高まり既に2%弱の全盛りとなっている。これに猛烈に「レーダーが反応」。スマイルカーブを観察していないと分からないかもしれないが、数時間停止している先物をよそにその間IVはジリジリ上昇という独特の緊張感を感じ取っているのは何もわたしだけではないはずだ。
手元にスマイルカーブが用意できないときは、YouTubeのLIVE配信を利用しよう。場中にスマイルカーブを垂れ流ししている。【youtubeチャンネル登録】も忘れずに。
先物はレンジ下限で張り付き、IVは全盛り、独特の緊張感、この状況や雰囲気をしっかりと覚えておくと良いと思う。信じられないと思うかもしれないが、これは「おカネが落ちてる」みたいなもので、この後のタイミングでIVが吹き上がる前兆だ。自信を持って確信的なトレードをやっていこう。
やるって何を?やることは一つ、そう「ボラティリティの買い」(ボラティリティ・ロング)だ。既に2%弱ほど全盛りしてしまっているが、先物下抜け必至の現在の状況から、今から(ボラティリティを)買って行っても十分に間に合うだろう。
IVが急騰するこの後のタイミングとは取引が活発化するNYオープン。その前に「プロテクティブ・プット」をエントリー。
今回のケースの場合、ベガ・ロング(ボラティリティ・ロング)のスプレッドなら「プロテクティブ・プット」に関わらず何でも良い。ただ「プロテクティブ・プット」であれば、先物上昇で再び22000円を目指す展開となっても損失は軽微なうちに対応できる。ポジション取りは「三対二の法則」が基本、と「ギルドの訓え」。
2019.10.03(木)00:40 NY市場午前
NYオープンから2時間ほど経過した。画像の通り、やはりNYオープンと同時に21500円をあっさりと下抜けIVはもう一段急騰した。この時間のダウは-500ドルの-2%超。
「プロテクティブ・プット」はプラス・ベガが作用し、グリーク通りの含み益が乗っている。ただコールの方がより盛っているので最適解は「プロテクティブ・コール」だったようだ。
オプション・スプレッドが持つベガ値からの損益計算はオプション取引を習得するにあたって必須項目の一つだ。ベガの理解なしにオプション取引の成功はあり得ないので、必ず把握しておこう。
ダウ+500ドルは節目となるところなので、ここら辺で一旦は反発あるいは下げ止まるかもしれない。「NYオープンのIV急騰を狙う」というこのポジションの目的は達成した。盛ったIVはマーケットの反転であっという間に萎むので、ポジションは無駄に引っ張らずに適宜返済していこう。
2019.10.03(木)00:45 全返済
全返済完了。短期的なトレードで良い結果が出たのではないだろうか。それにしてもようやく面白い相場になってきたかもしれない。次のタイミングを狙っていこう。
1912M @+5枚 21520.00円 → 返済 21345.00円 (‐87,000円)
1910P20500 @+6枚 35.00円 → 返済 58.00円 (+138,000円)
今回確定損益 +51,000円
合計確定損益 +51,000円
次号に続く。