今回のレポートは長々とホールドした「カバード・プット」をマイ転させ、結局「プロテクティブ・コール」で「敗戦処理」をしたお話し。
それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
- 2019.08.26(月)16:50 カバード・プット 欧州市場寄り付き
- 2019.08.27(火)14:10 東京市場午後
- 2019.08.27(火)16:40 増玉1セット 欧州市場オープン
- 2019.08.29(木)01:00 NY市場ランチタイム
- 2019.08.29(木)14:05 東京市場午後
- 2019.08.30(金)17:30 ミニ売り増玉 欧州市場午前
- 2019.09.03(火)14:55 東京市場クローズ
- 2019.09.04(水)16:40 ミニ売り増玉 欧州市場オープン
- 2019.09.05(木)09:30 東京市場オープン
- 2019.09.05(木)09:45 プロテクティブ・コール
- 2019.09.05(木)10:30 東京市場午前
- 2019.09.05(木)10:55 全返済
2019.08.26(月)16:50 カバード・プット 欧州市場寄り付き
先週の金曜日は米中貿易戦争の激化によりダウ‐700ドル。ホールド中だった「カバード・プット」を返済して週末をやり過ごした(前号のレポート参照)。
前号のレポートはこちらからどうぞ。
そして週明けの月曜日。朝方にCME先物は安値19850円、ドル円は104.50割れと大きな下窓でスタートした。GPIFのステルス介入や後場「日銀ETF買い」の思惑から、日中の午前は緩いリバウンドの展開。
大引け後に米中対立が後退する内容のアナウンスが流れ、ダウはマイナス圏からプラスへ一気に+350ドルの急騰。為替も1円程円安に振れ、先物はNS寄り付きから+150円でスタート。
この流れを受けてIVもNS寄り付きからコールが「ドッスン」剥げて始まった。プットは未だ前日比タイを維持しているが、この流れなら全剥げするのは時間の問題ではないだろうか。
ポジションは前号のレポートで返済した「カバード・プット」を再エントリー。金曜NYタイムから更に一段盛ったOTMプットの剥げを取りに行こう。エントリーのタイミングはベストに近く、盛りから剥げへ分かりやすく明確なIVの転換点を捉えることができたように思う。
しばらくは先物水準がコロコロ変わっていくのでいつものように最初の玉は小さく、後ほどポジション調整をかけていこう。ちなみに今晩は英国が休場でロンドン筋は不在となる。
2019.08.27(火)14:10 東京市場午後
昨晩はトランプ大統領の手のひら返しにマーケットは一喜一憂。先物は100円を超える乱高下。真面目にやるものバカらしいが、動いてしまえばそれが相場。結局、先物水準は変わらずIVは一段剥げ。ポジションは「カバード・プット」をホールド。NSに持ち越そう
2019.08.27(火)16:40 増玉1セット 欧州市場オープン
NSは昨日NSの安値付近、やや下窓でオープン。昨日NS寄り付きで空けた20300円-20400円の窓は、今のところ埋めていない。このタイミングで「カバード・プット」を1セット増玉し、今晩これからの様子を見てみよう。
2019.08.29(木)01:00 NY市場ランチタイム
先物は20300円~20500円の狭いレンジをひたすら漂流中で、特筆すべき内容もない。しかしVIXは20ポイントを挟んで推移しており、IVも盛りトレンドとなっていることから、マーケットに緊張感が全くないとは言えない。
ミニ売り玉を@-1枚追加し、「カバード・プット」をホールド。
2019.08.29(木)14:05 東京市場午後
先物は相変わらず小幅なレンジ内の推移。ポジションは「カバード・プット」をホールド。
2019.08.30(金)17:30 ミニ売り増玉 欧州市場午前
スルスルと上昇してきた先物は日足でも8月のレンジ上限に達してしまった。これ以上の先物上昇は現在の「カバード・プット」にとって都合が良くない。
しかし「まだあわてるような時間じゃない」ということで、とりあえずミニ売り増玉@-1枚を入れて今晩これからの様子見、問題なさそうなら「カバード・プット」を「週越え」させよう。月曜日の米国休場は休場だ。
2019.09.03(火)14:55 東京市場クローズ
週明けて月曜日からの火曜日、昨日の先物は米国休場のため日中ザラ場からNSクローズまで値幅は200円ほど。今日もマーケットは無風状態で特筆すべき内容はナシ。
2019.09.04(水)16:40 ミニ売り増玉 欧州市場オープン
ザラ場クローズ後に休憩時間に香港逃亡犯条例を正式撤回とのアナウンスを受けて、NSの先物は100円程の上窓スタート。先物は再びレンジの上限に戻ってきたところでミニ売りを@-1枚追加。でもなんか今回はレンジ上抜けそうだな……。
2019.09.05(木)09:30 東京市場オープン
おはぎゃー。木曜日の東京市場がオープン。先物は寄り付き急伸しレンジ上抜け。ポジションの評価益は全て吹き飛んでマイ転させてしまった。またこの反面教師にしていただきたいパターンかよ。予感しながらも昨晩に対応しなかった自分を呪う。
これはちょっと「カバード・プット」ではダメだ。何とかしなければならない。すぐに調整というか「敗戦処理」をしていこう。
2019.09.05(木)09:45 プロテクティブ・コール
プット売玉と一部ミニ売りを返済し、コールを新規買建て。「カバード・プット」は降参し、ポジションは「プロテクティブ・コール」に組み替えた。このパターンのスプレッド組み換えは「お約束」と言っていいほどよく使う。いや自分がもっと早く対応しておけば良かっただけだけど。
「カバード・プット」と「プロテクティブ・コール」を合成すると「フルヘッジ・ブル・シンセティック」となる。分解も容易でこの3つのスプレッドは非常に相性が良い。
Lv0083【フルヘッジ・ブル・シンセティック、ベガのドテンでよく使うスプレッド組み替えパターン】+90,000円今回のレポートは前回のレポートの最後のポジション「カバード・プット」の再エントリーとなる……
1909M @-2枚 20762.50円 → 返済 20925.00円 (-32,000円)
1909P19500 @-3枚 100.67円 → 7.00円 (+281,000円)
今回確定損益 +249,000円
合計確定損益 +249,000円
2019.09.05(木)10:30 東京市場午前
中国市場のオープンまでに先物は更に上昇、先物は21000円に乗せてきた。昨日の香港の「逃亡犯条例正式撤廃」に続き「米中は10月前半にワシントンで通商協議を開催」とのアナウンスが流れ、ポジティブ材料が続く。この通商協議、当初の9月前半から10月前半に後ズレしたのに上げるのですね。
IVは久しぶりの「上げの全盛り」、これはなかなか見られない。ただしFOTMコールのIVだけは逆行し剥げ散らかっている。先物のレンジ上抜けにより、この後ザラ場を通して溜まったコール売玉の散発的な買戻しが入るのではないだろうか。「プロテクティブ・コール」は鮮度が命なので、次にコールが吹き上がったタイミングを逃さず返済していこう。
2019.09.05(木)10:55 全返済
全返済。今回は長々と「カバード・プット」をホールドし一時評価益はそこそこまで膨らんだが、結局全溶解させてしまった。評価益をマイ転させてしまうというこのパターンが非常に多く、引き際が分からずポジションを引っ張り続けてしまうのはわたしの欠点だ。わかっちゃいるが、今後一番の課題だろう。
つまり今回のポジションは最後の「プロテクティブ・コール」一発だけで良かったのではないか。「敗戦処理」が功を奏したのは良かったが……ということでいつもの「猛反省」。気を取り直して次のタイミングを狙っていこう。
1909M @-6枚 20448.67円 → 返済 21090.00円 (-385,000円)
1909C21500 @+6枚 21.00 → 返済 52.00円 (+186,000円)
今回確定損益 -199,000円
合計確定損益 +50,000円