2019.03.19(火)18:35 ロング・ストラングル 欧州市場午前
NSの日経先物は堅調にスタート。21500円のレンジ上値をジリジリと攻めている。
「FOMC」を明日に控えたNSのIVはどのような変化となるか。
日中にはカバード・コールを返済した足で、NSは本レポート初登場となる「ロング・ストラングル」をエントリー。
個人的に「ロングストラングル、ロングストラドル」は難しいと感じているスプレッドで、なかなかエントリーするタイミングが掴めない。盛りを取りに行くとき大抵は「プロテクティブ・コール」か「プロテクティブ・プット」で、コールもしくはプットの盛りを個別に狙い撃ちしてしまう。
今回は先物水準が21500手前にあり、スマイルカーブの画像にあるように21500に大きい「オプション防護壁」がある。ここを突破されるとIVはコール・プット共に盛る「上げの全盛り」となるはずだ。また反落やヨコヨコでも明日に控える「FOMC」の警戒から剥げることはないだろう。なんなら「FOMC」盛りもあるかもしれない。もちろん日経先物が上下に振れればガンマも付いてくる。
また「FOMC」を控えているが、明けて東京市場は休場となるために東京は結果を織り込めない。つまり明日の日中にオプションのヘッジ需要があるのではないだろうか = 盛り要因。カレンダー的にもここで「ロング・ストラングル」はアリと思う。
ゴチャゴチャと書いてしまったが、ようするに日経先物がどのような展開となっても、「ロング・ストラングル」がセータ以外でやられることはないであろう、という算段。OTMコールとOTMプットのロングなので積んでいるプラスのベガ値は十分だ。もちろん大きく剥げたら目も当てられない評価損となるが、先に述べた理由から今回はたぶん大丈夫だろう。
以前にもどこかで書いた合成グリークスのベガ値に関して改めて書くと、ペイオフダイアグラムの画像の「Vega 54.61」という値は、IV1%当たりの増減に対する評価損益の増減が「54.61円」ということ。±1%でポジション評価は±54,610円だ。
なおオプショントレード的に「ロング・ストラングル」と「ロング・ストラドル」を区別する意味がないので、本レポートのカテゴリーでは「ロングストラングル、ロングストラドル」とまとめている。
2019.03.20(水)10:30 中国市場オープン
明けて東京市場午前。15mチャートでは上下ヒゲが長くなってきた印象。明朝に「FOMC」、明日は休場となる。
1%弱の盛り推移のIV。
昨晩NY市場では21500円乗せもあるかと思われたがタッチして反落。今のところ今週のレンジ下限付近で停滞している。しかし下抜けそうな雰囲気でもない。もしレンジ内にもとい、反騰が始まるとドッサリ落ち始めるパターンではないだろうか。「ロング・ストラングル」をどうするか決断するときだ。
IV推移を見れば分かるとおりポジションにベガ益が乗っているのは間違いないのだが、ペイオフダイアグラムの画像を見ると「U字」の底辺が水平ゼロラインにほぼ接地しており、ベガ益をセータ損で相殺してしまっていることが分かる。また垂直ライン(先物現値)の右に「U字」の底辺があり、交点は水平ゼロラインの上にあるので評価益となっていることがわかる。つまり現在のこのポジションの評価益はガンマによるものだ。とすると、相場の向きが変わるとガンマ益は一気に消失する。加えて剥げてしまったらベガ益も消失し、ポジション評価はマイ転させてしまうだろう。
結論。微盛りしているこのチャンスにホールドしていた「ロング・ストラングル」は返済、というか逃げてしまおう。
このように合成グリークスはポジションが抱えているリスクを示しており、ペイオフダイアグラムは合成グリークスを視覚的にわかりやすくしたもの。わたしにとってオプション取引を執行していくのに欠かせないツールの一つだ。「ギルド」で無料配布している「スマイルキャッチャー」というエクセルで動くツールを改造して作っているので、ご興味ある方はダウンロードしてみてはいかがだろうか。一気に先物オプション取引の世界が広がると思う。
2019.03.20(水)10:50 全返済
逃げるように全返済完了。自信満々で1%は盛ると思っていたが、だいぶ甘い読みだった。今回はたまたま下げターンとなりガンマに助けられたが、猛反省。
1904C22500 @+3qty 26.00 -> close 22.00 JPY (-12,000 JPY)
1904P20250 @+3qty 49.00 -> close 61.00 JPY (+36,000 JPY)
This profit and loss +24,000 JPY
Total profit and loss +24,000 JPY