今回は久しぶりに「プロテクティブ・プット」をエントリーする良いチャンスを見つけることができたので、ギルド集会所の会話と交えてレポートにした。
それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2020.05.14(木)11:30 プロテクティブ・プット 東京市場ランチタイム
GW明けの週の木曜日、東京市場。久しぶりにトレードの良いタイミングがやってきたかもしれない。「プロテクティブ・プット」をエントリー。
先週のGW中、05SQや「NFP」などのイベントを通過し、先物は20000円台に乗せて推移。コロナショック後の戻り高値は月曜日に付けた20615円。
しかし上値は重く再び20000円を割り込んでしまいそうな局面が続いている。昨日から下落警戒のプット盛りもジワリと広がっており、20400円台まで反発した昨晩NSもプットIV(ErisP)は大して剥げなかった。
マーケットには良い感じのストレスがかかっているようだ。つまり先物の下落に大して一般的な「下げのP剥げC盛り」の反応ではなく、プットIV(ErisP)は盛りで反応するという「環境の変化」が見られる。
このIVの反応から推察するに先物のもう一段下落は時間の問題にも見えることから、プットのボラティリティを買う「ボラティリティ・トレード」のチャンスではないだろうか。
逆に先物が再び20500円方向に戻したりヨコヨコしても大して剥げないことが前述の観察から分かっているので、まさに「ギルドの訓え」の「三対二の法則」、いや非常に珍しいことではあるが「三対三の法則」に則ったトレードが可能な状況。
ここまでごちゃごちゃと書き綴ったが、3行にまとめたのが以下。
先物下げ → プットIV(ErisP)は盛るだろう。コールIV(ErisC)も盛るだろう。
先物上げ → プットIV(ErisP)は剥げないだろう。コールIV(ErisC)は剥げそうだ。
先物ヨコヨコ → プットIV(ErisP)剥げないだろう。コールIV(ErisC)は剥げるかもしれない。
レンジ下限の20000円手前で踏ん張っている先物水準もとても良いタイミングだ。さあ、ここで「プロテクティブ・プット」を仕掛けない理由が見当たらないほど好条件がそろった。
「三対二の法則」ってなに?
ギルド集会所ではそのころ……
以降は後場のギルド集会所の投稿。
Emon 13:40
ですねー。例えば今この瞬間、先物20000円が割れそうですが、ここで組むポジションはどういうものでしょうか?
Emon 13:42
ここでどのようなポジションを組むのか、その思想は、今後オプションで生き残るにはそれなりに重要かもしれません
13:44
正解はないですよ。相場がどうなるかはわかりませんので。ただ(わたしがギルドの始祖から授かった)オプションで生き残るための考え方(の一つ)です
Emon 13:46
わたしもそう思います。まずここでオプション売りはなさそうです。カバコ(カバード・コール)など今回は上手くいくかもしれませんが、これをやるといつか死にます時間の問題です。
あとはドコのナニを買うか、、、です
Emon 13:47
まず一般的なマーケットで「下げのP盛りC剥げ」(訂正:下げのP剥げC盛り)ですが、今回はどうもそうならないようです。
Emon 13:49
一般的には先物下落でプロP(プロテクティブ・プット)すると負けますが、昨日からのマーケットを見ていると、下げると素直にプットが盛ります。これは下落警戒かと思われます。まるでプロP祭りの始まりのようにも見えます。
13:51
しかしまだ信用は出来ません。20000を割ってしまえば一時的に盛ったプットは、一気に剥げるかもしれないからです。それはしぶとく強い先物によるものです。
Emon 13:53
ですからプロPを組んで、盛って益が出たら剥げるまえに返済、よほどの強い下落でない限り、逃げ足は速くした方が良さそうです
Emon 13:56
あと考えられるのはプロC(プロテクティブ・コール)です。これはベストな選択に見えますが、先物が20500に戻られるとC禿げ(剥げ)+ミニ売による損失、それも結構な損失を免れません。このパターンではプロPよりもリスキーに見えます
Emon 14:00
タイミング的に先物が下落していけばプロCは完璧なのですが、コールも既に盛っているのでここから上げられるとかなりきついと想定できます。
Emon 14:02
だからプロCはここ20000割れ局面で組むよりも、最もコールが剥げているレンジ上限、20500円あたりで組むべきスプレッドだったのです。もし20500円を抜けて上げていけばコール盛りも期待できます。
14:04
上げヨシ下げヨシ(三対二の法則)のタイミングが大切ですね
14:06
プロPは逆にレンジ下限がそのタイミング(三対二の法則)になります。先ほどがまさにそのタイミングでしたね
14:07
昨日からのスマイルカーブの観察から、先物が上げてもプットは大して剥げない、というのがポイントです
Emon 14:16
前引けにエントリーしました。このまま先物と「ErisP」を凝視し、盛り続けるならホールド、剥げ始めたら逃げます。
14:17
もちろん、剥げると益は消えるので、ここは返済しておくのが無難ですね
Emon 14:19
ホールドはわたしの性格によるものなので、気にしないでください。ここは返済しておカネをポケットにしまい立ち去るのがおおよそ正しい選択だと思います
Emon 14:22
スマイルカーブは物語です。「スマイル物語」をよく読めば、「環境の変化」がつかめます。「環境の変化」はカネになります。こういう取引をコツコツ積み上げていくのが、わたしの場合のオプショントレードの方法です。
Emon 14:28
ずいぶん濃いオプ損の話だなと思ったらここ #10_給湯室_雑談a だった
魚はいらない、魚の取り方を知りたいのだ
能書きは良いので魚をくれ、という不勉強なトレーダーが、このような文字ばかりで分かりずらいレポートを読むはずがない。なぜならトレードで成功するための最も効率的な方法として、安直な売買シグナルを発するシステム探しに忙しいからだ。
一方「ゑもんレポート」をここまで読んでいるあなたは、漁場・ツール・手法などなど魚の取り方を求めているはずだ。それはトレードは人生や生活の一部であり継続的なものと考えており、勤勉かつ献身的でいられる覚悟を持っている証拠でもある。
ギルド集会所はオプション・トレードを深く追求し、より実践的な売買技術を磨きたいという真摯な志を持ったトレーダーのみが集まるコミュニティだ。
もしあなたがオプション・トレードで何かの悩みを抱えているとしたら、試しに一度、ギルド集会所をのぞきに来てはいかがだろうか?もしかしたら同じ志を持つ多くのトレード仲間の言葉が、その助けになるかもしれない。
2020.05.14(木)15:15 東京市場クローズ
東京市場はクローズ、先物は20000円を割れてきた。「プロテクティブ・プット」をNSにホールドしていこう。
2020.05.14(木)23:20 NY市場午前
欧州市場は軒並み-3%を超える大幅な下落となっており、合わせてIV(ErisP)も盛り続けてきた。しかしNY市場がオープンすると先物に目立ったリバウンドは見られないが、画像のプットIV(ErisP)の15m足の通りドサッと剥げ始めてきた。「ErisP」のカックンだ。
先物はもしかしたら下げ止まるか、リバウンドするのかもしれない。そうなるとホールドしてきた「プロテクティブ・プット」もここまでのようだ。更に剥げ進んでしまう前に、一旦ポジションを返済していこう。
2020.05.14(木)23:25 全返済
全返済。次のタイミングを狙っていこう。
2006M @+2円 20097.50円 → 返済 19690.00円 (-82,000円)
2006P18000 @+2円 160.00円 → 返済 265.00円 (+210,000円)
今回確定損益 +128,000円
合計確定損益 +128,000円