2018.10.26(金)16:30 プロテクティブ・プット エントリー
ザラ場は前日終値を挟み高安500円幅の乱高下。21000円を割り込む場面では「セリングクライマックス」のように見えなくもなかったが、今晩のNY市場次第であろう。およそ-100円の下窓でスタートしたNS、そして金曜日のNYタイムはどのような展開となるのか。
およそ-100円の下窓でNSはスタートしたことでIVも連動微盛り。
ザラ場に返済した「プロテクティブ・プット」をしつこく再度エントリー。勝てるときは「バカの一つ覚え」をガンガンやった方が良いと、ギルドの始祖が申しておりました。
18:55 経過
再び21000円を割り込むまで売り込まれてきた先物。欧州株は軒並みー2%安、ダウも時間外でー1.3%している。先物は強い支持水準なので、今後の先物推移とIVの変化に注目。
今のところ2%程度の全盛り。あえて言うまでもないが今回のようにOTMで組まれた「プロテクティブ・プット」は、そこそこ大きいロングのベガ値を持つスプレッドなので、2%程度のこの盛りでもポジションの評価損益にポジティブな影響を与えている。
以前もどこかのレポートに書いたが、ペイオフ・ダイアグラムの画像の上部に記載されているポジションの合成グリークスを確認してみよう。ベガ値×盛った分の値がスプレッドの評価損益にプラスに働いているはずだ。
いつも見にくくて恐縮だが、スマイルカーブの画像内、P195にある「+1.89%」という小さい印がポジションを取った時からのIVの増減を示している。つまり言い換えると、買ったストライクのプットはエントリー時から+1.89%盛った、ということ。
盛る、一言に言っても全てのストライクが同じ値だけ均等に盛るわけではない。先ほどの「+1.89%」の印付近に水平に横たわる黄色いジグザグしているラインが期近のIV前日比で、値は第2軸に示されている。その少し下に横たわる水色の線は期先のIV前日比だ。
これによるとATM付近はあまり盛っていないが、プット・コール共にOTMが最も盛っているのがわかる。プットはエントリーしたP195のストライク付近がドンピシャで最も盛っている。これは偶然でも何でもなく、意図して狙ったものだ。
以前のレポートにも書いたが、デルタに対するベガ値の増減は、ボンマという高次グリークスの値が影響している。ボラティリティのガンマ = ボンマ という訳だ。ボンマはスマイルカーブに重ねてプロットすると、M字をしている。ATM付近の値が最も小さく、プット・コール両サイドのOTMが最も大きい。そしてOTMでピーク値を付け、更にFOTMまで離れると再び小さくなる。
しかし小難しい話ではない。ボンマのピーク値はプットは-0.1程度、コール側は+0.15程度のデルタ値を持つストライク付近。わたしはこの位置(ストライク)のことをプット側を「ErisP」、コール側を「ErisC」と勝手に呼び、それぞれIVを15mチャートに記録して観察している。
これだけ覚えておけば盛り狙いでプットを買うときにどのストライクを選べば効率が良いかがわかる。と、ギルドの訓え。ただしボンマ値が大きいということは、剥げるときも最も剥げ散らかるということなのでご注意を。
ボンマ以外に高次グリークスは多く存在する。アカデミックな内容は本レポートの範疇ではないので、興味のある方は教科書を調べてみると面白いと思う。ちなみにわたしは興味がない、ので良くわからない。だから能書きはそこそこにしておこう。
ポジションはホールド。先ほどのペイオフ・ダイアグラムと比較すると、ポジションが持つベガ値と約2%のIV盛りが、たいたい計算通りに評価損益に影響を与えているのが分かる。
相場の変動でポジションが持つ合成グリークスがどのように変化し、評価損益に影響を与えるのかを事前に把握しておくことは、オプショントレーダーにとって非常に重要だと思う。そのためにグリークスを分かりやすく可視化したものがペイオフ・ダイアグラムだ。大損をしてから「こんなに損をしたのは想定外」と言うのは、自分がオプションで何をしていたのか全く理解していない証拠。自分の大切なおカネのことなのだから、決してお粗末なトレードをしてはいけない。
23:10 全返済
ダウの安値更新に連動して日経先物も再び下げ幅拡大。
合わせて盛るスマイルカーブ。
IVも盛り良い下押しなので、このタイミングでポジションは全返済。
1812M@+6枚21140.00円 → 返済20925.00円 (-129,000円)
1811P195@+5枚97.00円 → 返済150.00円 (+265,000円)
合計損益 +136,000円
ザラ場の「セリングクライマックス」っぽい下押しより、今の方が「セリングクライマックス」っぽかった。と、同じことをいつまで言い続けることになるのだろうか。
さて次はタイミングを見ながら盛り過ぎたボラティリティの剥げを取りに行こう。今回が本当の「セリングクライマックス」ならIVはドッスンするはずだ。