前号のレポートの続き。ここまでIVが敏感なマーケットは珍しい。レポートの前半部分は確信的に含み益を抱えることに成功。前半までは今のマーケットに有効なオプション・スプレッドの一つとして参考にしていただければと思う。
しかしレポートの後半は、含み益を抱えたポジションを返済せずに引っ張ったことで、利益を手にすることができなかったばかりか結局損切りで終わってしまった。これは「猛反省」すべき点だ。よってレポートの後半は反面教師としていただければと思う。
それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2019.08.15(木)02:50 プロテクティブ・プット NY市場午後
昨日のこの時間は米中貿易絡みのポジティブ・サプライズが飛び出し先物は500円も急騰した。しかし今日のNSになって米国債イールドカーブが逆転したことを材料に売られ、昨日の+500円は全戻し。本当に疲れるマーケットが続くが、IVの変動が活発な相場はオプショントレードの稼ぎ時とも言える。
IVの反応が良い、IVの変動が活発、などと書いているが、そんなときオプション・プレミアムに最も影響を与えているグリークスは「ベガ」だ。オプション・トレードを行っていく上で必須グリークスの一つなので、もしよく分からないという方は以下のレポートを参考にしていただければと思う。「ベガ」(とガンマ)の理解なしに決してオプション取引などに手を出してはいけない。
先ほどNYオープン後に、前号のレポートのとおり「プロテクティブ・プット」を返済。ダウの安値は-750ドル、VIXは22.70ポイントまで上昇した。連動して先物のIVはコールで+3%となっている。
ここ最近のトレードはこの「カバード・プット」と「プロテクティブ・プット」を繰り返しているだけだ。今回も例にもれず再び「プロテクティブ・プット」をエントリー。リバウンドが止まったところで明日の東京市場の玉を仕込んでおこう。
前号のレポートはこちららからどうぞ。
またオプション・ショートである「カバード・プット」と、オプション・ロングである「プロテクティブ・プット」のセレクトに関しては以前のレポートに書いている。もし興味あれば合わせて参考にしていただければと思う。
その使い分けは「ボラティリティの水準」だ。以前にも書いたかもしれないが、わたしは「VIXが20ポイント」を明確に超えているマーケットではオプション・ロング、「VIXが20ポイント」を割り込んで推移しているマーケットではオプション・ショートを狙っていくようにしている。
Lv0074【カバード・プットの鉄板エントリーのタイミングとは?精度を高めるコツやテクニック】+177,000 JPY2018年の年末までレポート内で「いつものアレ」というと「プロテクティブ・コール」のこと……
2019.08.15(木)09:10 プット買い増玉 東京市場オープン
昨晩のダウは-800ドル-3%超のほぼ安値引け、更に8月7日の直近安値ほぼタイ、そして200MA割れという今年最悪の状況で引けた。VIXは22.10ポイント。東京市場は昨晩のNS引けより+100円程でオープン、その後は買戻し優勢の展開。
「デルタ調整」のプット買い@+1枚。「あかんヤツ」がキテルわりに東京市場の緊張感は皆無。VIは22ポイント前後とまだまだ低い、つまり危機感も皆無。剥げるとは信じ難いことだが、更に剥げるようなら「ナニコレ安い」でどんどんプットを買っていこう。
2019.08.15(木)10:20 更にプット買い増玉@+1枚。画像省略。
2019.08.15(木)10:55 更にプット買い増玉@+1枚。画像省略。
2019.08.15(木)15:15 プット買い増玉 東京市場クローズ
残念ながら東京市場で返済のタイミングはなかった。「まだあわてるような時間じゃない」だが、この世界的な危機的状況が迫っているときに信じられないことに先物反発・IV低下とは恐るべき「GPIF+BOJ」効果。今更だが次回から東京市場は剥げ狙い、NSに盛り狙いとしよう。プット買い増玉@+1枚。
2019.08.15(木)19:35 欧州市場午前
NSが始まりIVは上昇。この時間で既に2%の全盛りとなっている。VIXは23.61ポイント、米10年国債利回りは昨日の安値1.55を割り込んでいる。ポジションは「プロテクティブ・プット」をホールド、NY市場のオープンまで引っ張ってみよう。
2019.08.15(木)20:55 欧州市場午後
ぎゃーっ。謎のカチ上げに遭遇。為替は1円、ダウは200ドルの急騰。先物も200円の猛烈な上昇、これによりポジションの評価益は一気に持って行かれた。以降100円幅の乱高下が続いている。いやーまいった。とりあえずこのままNY市場を待ってみよう。
どうやらポジションとマーケットを過信しすぎたようだ。またこの「猛反省」パターンか。
2019.08.16(金)09:15 東京市場オープン
昨晩は「プロテクティブ・プット」の絶好の返済タイミングを逃し、NYタイムもレンジ感の強い内容でIVは吹かずにポジションは救出できなかった。さすがにホールド期間が長くなり、IVの低下と相まってオプション・ロングは苦しくなってきた。
昨晩のNYタイムの様子から東京タイムも小幅なレンジとなりそうだ。既に絶望感が漂っているが、IVが盛り返すタイミングがあれば返済をかけていこう。
2019.08.16(金)14:50 全返済
全返済。今回のトレードの失敗は前号のレポートでも書いているように「一撃離脱」をしなかったことにある。ホールドを続け引き際を謝るというミスは、過去レポートにもあるように繰り返し失敗していること。自身の弱点としてしっかりと認識していかなければならないと感じた。次のタイミングを狙っていこう。
1909M @+3枚 20205.00枚 → 返済 20420.00円 (+65,000円)
1909P17000 @+14枚 22.71円 → 返済 14.00円 (-122,000円)
今回損益 -57,000円
合計損益 -57,000円