今回のレポートは前号のレポートの続き。オプション取引の小難しさを感じるレポートだ。
前号のレポートはこちらから。
ポジションは前号よりストライクをFOTMにずらした「プロテクティブ・プット」を再エントリーしたものとなる。含み益を抱えることに成功するものの、結果的に返済オペレーションをしくじり失敗と終わっている。FOTMの玉の扱いは常に同様の問題を意識しなければならない。また東京市場で20000円割れの下窓で寄り付いてからの猛烈なIVの剥げは今後の参考になると思う。
合わせて「プット・バック・スプレッド」の「シミュレーション」も行った。それではオプション・トレードの現場の様子を詳しく見ていこう。
2019.08.05(月)19:25 プロテクティブ・プット 欧州市場午前
前号のレポートに引き続き「プロテクティブ・プット」を再エントリー。ストライクは更にFOTMに移動させた。ペイオフダイアグラムの画像の通り、この平たい損益曲線がどのように推移していくのか見ていこう。
2019.08.06(火)02:45 NY市場午後
NY市場午後。日中の流れを引継ぎ続落。この時間のダウは26000ドルを割り込み-750ドルの-2.8%、VIXは22ポイント台で推移。ポジションは「プロテクティブ・プット」をホールド。損益曲線が浮き上がり、ポジションに評価益が乗っているのが分かる。
・プット・バック・スプレッドのシミュレーション
上の画像は今回の「プロテクティブ・プット」を組んだと同時に、「プット・バック・スプレッド」の「シミュレーション」を行ったもの。実際のポジションの「プロテクティブ・プット」の「ミニ買い」レッグの代替として、プット20000を売って「プット・バック・スプレッド」を作ったと仮定している。
実際のポジションの「プロテクティブ・プット」は先の画像からも分かるとおり既に含み益が出ているが、「プット・バック・スプレッド」の評価は今のところほぼトントンであることがわかる。先物は250円程下落しているが、同じように含み益とならないのは、どういうことだろうか。
双方のスプレッドのグリークスを並べて比較すると、含み益に貢献しているグリークは何か、なぜこのような差が出るのか原因がわかる。詳しくは以下の過去レポートを参考にしていただきたい。
またこの「シミュレーション」は「スマイルキャッチャー」で行っている。無料で使えるオプション取引ツールとしては最高クラスのものなので、興味がある方はダウンロードしてみてはいかがだろうか。
「スマイルキャッチャー」のダウンロードはこちらから。
2019.08.06(火)09:20 東京市場寄り付き
昨晩のダウは一時‐800ドル-3%を付けた。さらに朝方に「米、中国を為替操作国に指定」とのアナウンスが流れ、明けた東京市場は250円の下窓、20000円を割り込んで寄り付いた。為替は105.60と一段円高、VIは25ポイント台となっている。ここでプット買玉の返済をかけていこう。
2019.08.06(火)10:50 あっという間にマイ転
ガックリである。この手厳しい内容にわたしは地を這いつくばって「猛反省」した方が良いだろう。
全く返済の約定が付かず、朝方のポジション画像の評価益の全てを飛ばし、マイ転させてしまった。信じられない愚かなミスを犯してしまった。このスプレッドの場合はワンテックの損益(45枚=45,000円)が大きいと言えども、買板にしっかりとぶつけて確実に返済していくべきだった。
それにしても、どうしてこれ程まで一気に評価が変動したのだろうか。答えは先の問題と同じグリークスにある。ぜひ09:20と10:50の画像を比較検証していただき、答えを出していただきたい。そして今後あなたのオプション取引の糧となれば、このろくでもないレポートも報われる。
250円の下窓寄り付きにも関わらずIVは剥げてきていることで下落一服、寄り付きがとりあえずの「セリングクライマックス」だったと言えるかもしれない。それにしてもIV、思ったほど吹かないといった印象。
「シミュレーション」の「プット・バック・スプレッド」は上の画像の通りズタボロ、更に厳しい内容となっている。
2019.08.06(火)11:25 全返済
全返済。今回の失敗を踏まえて次のチャンスを狙っていこう。
1909M @+3枚 20565.00円 → 返済 20280.00円 (-87,000円)
1909P15000 @+45枚 7.00円 → 返済 8.00円 (+45,000円)
今回損益 -42,000円
合計損益 -42,000円