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■もちろんマーケットは好きです。ですが、好き・楽しいだけでは食っていけません。有限の資金でやっている以上、無給はおろかマイナスが何か月も続き金銭的にも精神的にも苦しむことも多いのも事実です。
□はい、よく理解できます。
・絶対にマーケットで失敗できない
■そんな中で利益の安定性と向上、ゲームが続行不能になるリスクとを両睨みしながら、どうすれば最も効率が良いのか。またマーケットの変化にどのようについて行けば良いのか、ということをいつも考えマーケットに臨んでいます。
もしわたしの手法や手段が変化していっているのなら、「コレで食っていく」ために実行するトレードの効率化・最適化の結果ということです。
□僕はあなたのそのようなところを見習いたいです。今まであなたを追いかけてきて、僕はやっとマーケットでの生き残る手段と方法を見つけることができたのではないかと、最近は思っています。
■わたしの一番の目標は、死ぬまでマーケットで食っていくことです。できればその道のりは浮き沈みの少ないものでありたいと思っています。しかし先人たちの貴重な記録を見れば、それは極めて厳しいものであることが分かります。
それでもわたしは夢・目標という以前に、まずは脅迫的に絶対にマーケットで失敗できないのです。マーケットしか取り柄のない人間が、志し半ばで吹き飛んで路頭に迷っている姿を想像してみてください。絶対に負けられないでしょう?それが今わたしが置かれている状況で、これからもこの状況が続くのです。
□「絶対にマーケットで失敗できない」、という言葉は「ゑもんレポート」で「KEN」氏も同じことを仰っていました。この世界で成功できる人と成功できない人、その違いはもしかしたらこの言葉にあるのかもしれませんね。今日は本当にありがとうございました。
・好調なオプション取引のその後
「コロイ」氏の2回目となるインタビューは以上である。
本稿中で彼は、「まだ4ヶ月目ですが、SQ日ベースで損失を出した月はありません。今のところ全勝しています」とコメントしている。しかし連載中に彼は「ちょっとした」ミスを犯したことによるペナルティとして、今年の利益の大半を失ってしまったことを、ここで付け加えておかなければならない。
プットで「ダイアゴナル・スプレッド」を組んでいた彼は、日経平均先物が大きく下げ進んだ際に買玉を残し、売玉の損切りを行った。ポジション縮小方向への調整という決断は正しいものであった。
しかしその後、再びプットの売玉を組み直す間もなく(実際には、売り板に並ぶも約定出来ず)日経平均先物はあっという間に値を戻し、片張りの状態のまま買玉のプレミアムをごっそりと剥げさせてしまったのだ。
これは相場を読み間違えたというだけではなく、片方のレッグを外したまま相場が走るのを許してしまうという、些細ではあるがアービトラージ戦略としては初歩的なミスである。そのペナルティとして彼の7月限の結果は、今年の利益の大半を吹き飛ばすほどの大きな損失を計上することとなってしまったのだ。
しかしその後の素早く的確な対処により、期先のボラティリティが割高のままであることを利用したスプレッドにポジションを組み替えることで、8月のSQでは前月の損失はすっかり取り戻し、余りある利益を叩き出すことに成功した。
・人類が生み出した最高のゲーム
オプション取引とは、上がると思えば単にコールを買い、下がると思えばプットを買う取引だという自称プロは多い。そしてオプション売りはまるで機関車が突っ走る鉄路の上で小銭を拾い集めるような行為だと、オプション売りを行う者を気違いであるかのように扱う。
逆に時間の経過を味方に付け、カジノの胴元のように稼げる「売り」こそがオプション取引の正義であり、オプション買いは貧者への近道だと主張する自称プロもいる。
しかしオプション取引を生業としている専業トレーダーは、彼ら自称プロたちの言葉にいちいち反応するようなことはない。
オプション取引は豊富なトレード経験がないと真には語れない。語れるはずがないので話に誤魔化しが効かない。だから専業トレーダーが自称プロの話を聞けばその人物の実力を簡単に見透かすことができる。その人物がインチキかどうかはすぐ分かるのだ。
自称プロが意気揚々と語る「上だ下だ、売りだ買いだ、プットだコールだ、ブラッックショールズ方程式だ」とルールブックをコピーした程度の薄っぺらい知識や言葉など、オプション取引の実践現場では役に立たないので、どうでもいいのである。「人類が生み出した最高のゲーム」とも言われるオプション取引とは、何と神経質で気難しいのか。
「コロイ」氏は目標を達成するために揺るぎない「決意」を胸に、そんなオプション市場へと主戦場を移した。「もう砂場のお遊びは終わり」だと語る彼にとって、ココからが本番である。
「トレードでカネを稼ぎ続けることはできるのか」、彼はこの答えに確信を得ている。数年後に再び追加インタビューが実現することを楽しみにしたい。きっと彼は誰もが羨む結果を叩き出しているに違いない。
(おわり)
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