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Ep0003【ドイツ人が買ったら天井、売ったら大底】

 
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週間トレーダーズ・トリビューン
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相場の天底を占う「逆指標」は、様々なものがあります。マーケットの「逆指標」というと、そのほとんどが何かを揶揄したものです。

 

“あなたにとって絶対唯一の希望は、リスクを取ることである”
[マックス・ギュンター]

 

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逆指標

 

▽指標(し‐ひょう〔‐ヘウ〕)-(大辞泉)
1.物事を判断したり評価したりするための目じるしとなるもの。

 

例えば、
「どこまで高騰するのか」というタイトルが雑誌の表紙を飾ったら天井。
同じように、「何か危機的な状況を表す不吉な写真」が表紙を飾ったら大底。
相場の外では、今まで投資に興味がなかった人がカブを買い出したら天井。
相場の中では、誰もがロングに恐怖を感じなくなったら天井。ローカルでは、「オレが投げたらトコが大底」などと、周りに面白おかしく宣言する人もいます。

 

ポジションを抱えて緊張状態が継続しているときに、何か「ウマい」逆指標に出会うと、その根拠の意味不明さと痛快感に思わず和んでしまうものです。

 

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ドイツ人が買ったら天井、売ったら大底

 

さて今回の、「ドイツ人が買ったら天井、売ったら大底」と言われる逆指標。

 

これはドイツ人にとっては、あまり面白くない「天底占い」かもしれません。もちろん実際の相場で、ドイツ人全員が曲がり屋なハズはありません。特定の人種を指すとは、如何にも通貨マフィアが言いそうな悪ふざけですが、 出所は不明です。ではこの古い逆指標の根拠と真意は何なのでしょうか。

 

何でも理詰めで完璧に納得しなければ行動を起こさない、というのが一般的なドイツ人の国民性とされているようです(本当にそうなのかは知りませんが)。幼い頃から、物事は筋道を立て理論的に進めるよう教育されると言います。故にドイツ人は「理屈っぽい人」の代名詞とされてしまった、ということでしょう。

 

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理屈屋の相場下手

 

そういえばビジネスの格言で、「理屈上手の商い下手」という言葉があります。競馬は「予想上手の馬券下手」、相場では「理屈屋の相場下手」と言います。

 

テクニカル、ファンダメンタルズ、センチメント、上昇する条件が全て揃ったときは既に相場は天井であり、下落する材料が全て揃ったときの相場は既に大底にある。つまり、理屈が全部出揃って、理屈っぽい人が買い出動したときが相場はまさに天井であり、投げたときが大底だということなのでしょう。だから「理屈屋の相場下手」、なるほど。確かにその通りかも知れません。

 

相場というのは不合理で、不条理で、無秩序な世界です。価格がどう動くかを当てるのではなく、他人がどう動くかを当てるゲームでもない。そうかといって多数決でもない。カオスがカオスであるのか、そうでないのかさえも知り得ることすら叶わない、まさにワンダーランドです。

 

参加者の生の「欲望と恐怖」を常に反映しながら動く値動きは、当然のことながら理屈や理論だけでは到底解決できない混沌としたものであることは、もはや明白なことです。

 

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理屈に負けて相場に勝て

 

ようするに、こういうことです。【理屈に負けて相場に勝て】、と。

 

相場は常に正しい。理屈で勝つのではなく、理論で勝てるものでもありません。勘と運は少し必要です。しかしそうです、相場は「謙虚さ」で勝つものではないでしょうか。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。次号もお楽しみに。