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Ep0070【「KEN」第07話(スピンオフ)-専業トレーダーを目指す人にアドバイス】

 
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Ep0064【「KEN」第01話(目次)-ベテランの日経225先物オプショントレーダー】
この物語は2011年2月に書かれた古いレポートである。2011年と言えば我々日本人にとって忘れることができない年。そう、あの年に日本は「3.11東日本大震災」に見舞われたのである。 ベテランの日経225先物オプショントレーダー 今回のインタビューの主人公となる「KEN」氏は、「コロイ」氏と共に「3....【つづきを読む】

 

■それから仮眠を取って……。

□そう。1、2時間の仮眠を取ったら、もうすぐに前場が始まる時間だ。もちろん※SGXがオープンする前の8時30分には着席をしなければならない。でも寝ぼけたままで着席はできないから、8時には起きてその日のトレードのイメージをしながら士気を高めた。

 

朝と昼は食べなかった。慢性的に寝不足だったのでザラ場に眠くなってはマズいからね。夕飯は少し贅沢にチキンラーメンやジャスコの火曜市で買い込んだ冷凍食品と炊いた白米を食べた。最高においしかった。

 

でも節約していたから腹いっぱいは食べることができなかった。常に腹の虫が鳴っていたよ。チキンラーメンに卵を落とすかどうかで悩むんだ。眠気も酷かったけど、そんなものは「自分との闘い」だと思って気合で凌いだ。

 

※SGX

シンガポール証券取引所。SGX日経225先物は大証の日経225先物より15分早くオープンする。当時はこの15分間が重要な先行指標となっていた。その日の相場の流れはこの15分間で決まると言われるほど重要な時間帯であった。

 

無駄なポジションを減らせばそれだけ利益が残る

 

■今までの話からこの時期に相当な勉強を積んだのが想像できます。

□相場の勉強だけではなく、当たり前だけどアルバイトも真面目にやったよ。日当にしたら5000円もいかない仕事だったけど、こんな荒んだ僕を使ってくれるなんて本当に有難いと思ったよ。

 

大手製造メーカーでエリートぶっていた僕は、人のナニした後始末をしながらプライドを完全に捨てたんだ。ラブホテルって鏡が多いでしょ?鏡に映った作業着の自分を見て、心から情けなく感じた。

 

会社を辞めるときには希望に満ちていたはずなのに、僅か3ヵ月でどうしてこんなことになってしまったんだろう、ってね。僕は客室を掃除しながら涙が出てしまったので、同僚のおばちゃんに悟られないように風呂場を掃除しに行った。

 

■この時期に学んだことは、どんなことですか?

□アルバイトの給料は日当にして約5000円、ラージ(日経225先物ラージ)は、※ワンティック1万円。30円の逆行で損切りをしたとしても、アルバイト6日分の金額だ。損切りはとても重要だけれども、必要のない損切りを行うことの愚かさを知ったよ。

 

必要のない損切りをするということは、必要のないポジションを取っているということなんだ。損失は経費だけどわざわざ不要な経費を払うことはない。無駄なポジションを減らせばそれだけ利益が残る。だからこういう無駄は努力をして減らさなければならない。一つ一つトレードを大切に扱い、無駄な損切りが出ないよう精度を高めていくことが重要なんだ。

 

※ワンティック

呼値。大証日経225先物ラージの呼値は10円。大証日経225先物miniの呼値は5円。

 

他人に相談する必要なんてない

 

■専業トレーダーを怠け者で堕落したニートみたいに言う人もいますよね?

□確かに。専業トレーダーの実態をそのように考えている人もいるよね。言いたいことは分からなくもないのだけど、これに関しては何というか孤独感というか、上手く言えなけどとても残念だとは感じる。

 

ネット上の掲示板にはよくお世話になってるけど、「親が泣く」とか「真っ当に働け」とか専業トレーダーを面白おかしく扱い、バカにしてくるヤツもいる。そんなときはイライラしたり頭に来るときもある。でも僕は自分の目的を果たすために、自らが好きで望んで専業トレーダーになったんだ。

 

■きっとそういった社会環境も含めて「トレードは自分との闘い」の一部なのでしょうね。

□あなたのレポートの読者の方は純粋に相場に取り組んでいる人たちばかりだと思うから、僕を非常識だと思うかもしれないけど正直に告白するよ。自分が会社を辞めた時は友人はもちろん、両親にも相談していないんだ。

 

自分が本気でやろうとしてることを、他人に相談する必要なんてないだろ?まして相場のことを知らない人に相談してどうなる?友人や知人から何かポジティブな意見でも貰えることを期待してるのか?それとも反対してもらえることを期待しているの?もし反対されたらそれで諦めるのか?他人の意見は関係ない、信じることができるのは己の決意と信念だけだろうって、僕はそう考えていたんだ。

 

でも両親がいる実家に会社から毎月届いていた社誌が来なくなり、すぐに気付かれてしまったんだ。両親から電話がかかってきたときは、もうこれを理解してもらうには結果を出すしかないと思って、そのときは簡単に説明した感じでごまかした。そして1年後に結果を出してから、ちゃんと説明をし直したんだ。飲み会仲間や他の友人にもね。

 

両親は僕が会社を辞めて専業トレーダーになったことを、周りに堂々と話したと言っていたよ。世間からみたらどう思われるか想像付くよ。でも僕がチョイスした道に対して何一つ嫌な顔せずに応援してくれた。本当にうれしかったよ。

 

絶対的な覚悟なしに専業トレーダーとして成功することはあり得ない

 

■なるほど。しかしこれから専業トレーダーを目指そうと夢見ているトレーダーにはとても厳しい内容です。

□うん。安易に考えている人には一言申し上げたいね。専業トレーダーになって楽して儲けて遊んで暮らして、とか考えているような安っぽい人が期待する話は、僕からは聞くことはできないよ。僕は専業トレーダーになってから今まで楽して儲けたことはないし、遊んで暮らしたこともないから。

 

■真剣に専業トレーダーを目指す彼らに何かアドバイスはありますか?

□そうだね、まずその「真剣」がどこまでのものか自分自身と問答を繰り返したほうが良いと思う。

 

これから専業トレーダーになろうとしている人に僕から何かアドバイスすることがあるとすれば「全てを失う覚悟」、それができたら「行動あるのみ」ということじゃないかな。もちろん誰かに相談する必要なんてない。耳に心地よい意見が聞けるのを期待しているだけだから。

 

誰かに反対されて諦めるくらいの信念なら、最初から専業でトレードをやるなんて言い出さないこと。その程度の決意では、いずれ苦難にぶつかったときにどうせ後ろを向いて諦めてしまうことになるから。僕は絶対的な覚悟なしに専業トレーダーとして成功することはあり得ない、と確信している。

 

さっきも少し言ったことだけど、専業トレーダーと兼業トレーダーの決定的な違いはこれさ。圧倒的に「覚悟」が違う。人を本気にさせるのは絶体絶命崖っぷちの状況とその覚悟だよ。余裕のある状況下では現状維持がいいところで、今後のトレードに多大な影響を与えるほど有益な学びはないだろう。だからそこにスキルの差があって当然だ。

 

傲慢な言い方に聞こえるかもしれないけど、ウソでも大げさでもないんだ。全て僕が自ら経験してきたことさ。

 

■ありがとうございます。

□話を元に戻すと、そのあと僕は4ヶ月目から勝ち出した。5ヶ月目には月で50万強稼ぐことができて、6ヶ月目に原資回復に成功するとアルバイトは辞めた。真面目に働いていたからオーナーや同僚のおばちゃんにも引き留められたけど、もっと睡眠時間と勉強時間が欲しかったからね。こんな僕を雇ってくれた恩もあったから辞めるのは申し訳なく思った。

 

勝てるようになるのが早かったのは幸運だった。いや、悪運尽きなかったと言うべきなのかな。今考えれば苦しかった期間はほんの短い間だったけど、あの頃のことを決して忘れたことはないよ。やっぱり僕はこのとき初めてマーケットに対して「真剣」になったんだと気が付いた。

 

(本稿につづく)

 

Ep0071【「KEN」第08話-「リーマン・ショック」世紀の暴落相場を乗りきった】
(目次ページへ戻る) ■アルバイトのお話はあまり語られることのない専業トレーダーの苦労の一面を知ることができる貴重な内容でした。「覚悟」と「決意」のお話はこれから専業トレーダーを目指す方にとって良い励みになるに違いありません。 □抽象的な内容だし、耳障りな話だったかもしれない...【つづきを読む】

 

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