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■一般的なトレーダーは相場で稼ぐことができません。なぜ多くの人は損をするのでしょうか?
□トレードに感情を持ち込むから。
・トレードで稼げない人は何が足りないのか
■感情が何を邪魔するから損をするのですか?
□損小利大の追求。人間はもともと楽な選択肢を選ぶようにできていますが、トレードではその逆をやらなければなりません。トレードに感情を持ち込むとシグナルに従うことができなくなったり、ポジションサイズを勝手に変更したりします。
■というと?
□損失を確定したくないからといって損切り注文をキャンセルしたり、ポジションに利益が出るとすぐに確定したくなります。これらは損小利大とは正反対の行動です。損失を確定することは痛みを伴いますし、利益をすぐ確定せずに先延ばすことも苦痛に耐えなければなりません。もしかしたらせっかくの利益が消えてしまうかもしれませんからね。
■なるほど。質問を言い換えます。稼げない人は何が足りないから稼げないのでしょうか?
□大多数のトレーダーは今は買いなのか売りなのか、そしてそれをいつ執行すれば良いのか、これさえ分かれば相場で勝てると信じ、予測を言い当てることばかりを追求しています。だから進歩がないのです。正しく予測することによって勝つことができるとする考えはそもそもの勘違いなわけです。
何度でも言いますが、いつ上がるのか下がるのかなどという問題は、どんなに高度な分析を駆使しても誰にもわからないことなのです。しかし彼らはマーケットは予測可能だと信じており、この問題をどうでも良いと破棄することができないのです。
■市場予測は不可能であることを認めて、他のことに目を向けなければならないと?
□相場はファンダメンタルズによって動いていませんし、チャートによって動いてもいません。この事実を認められるか認められないかは、相場で生き残っていく上で非常に重要なことだと思います。
そうです、これはギャンブルの一つなんですよ。ギャンブルで自ら制御できることといえばベッティング、つまりポジションサイジングです。予測を一切必要とせずに損小利大を追求できる売買ルールを持ち、健全なポジションサイジングルールを備えれば、それなりになんとかなるものだと思います。
・稼げないトレーダーは稼げるようになるのか
■いま稼ぐことができないトレーダーは、この先経験や学習を重ねることで稼ぐことができるのでしょうか。
□できると思います。ただし一握りだと思います。
■一握り?
□出発点はみな同じです。誰もが比較的すぐに楽に稼げるものだと思って、相場を始めました。しかし誰もがどこかで期待を裏切られ、楽には稼げないものだと気が付きます。
ここでまず最初の分岐点が訪れます。誰もが勝ちたいと思っていますが、誰もがリスクを取りたいと思っているわけではありません。誰もが勝ちたいと思っているけれど、誰もが何かを犠牲にしてまで勝ちたいと思っているわけでもありません。
空いた時間に相場の本を読んでノートに書き移し、MT4やエクセルを弄くるくらいを勉強だというのなら、そんなことくらいは誰でもやっています。その程度のことは機関投資家では新人研修で行うでしょうし、個人投資家では趣味の世界ですね。
相場では自分のポジションの逆サイドに、自分より遥かに優秀で強大な彼ら、天才集団がいるわけです。どうしてもマーケットで勝ちたいのなら、彼らを超える努力をして然るべきです。
■なるほど、よく分かります。わたしの質問の「稼ぐ」の定義が曖昧でした。あなたにとっての「稼ぐ」とは、トレードで家族が養えるほど大きな利益を上げることが「稼ぐ」ということなのですね。
□これまでの話も含め、誰もが素直に吸収する謙虚さを持ち合わせているわけではありません。誰もが自分の甘さを素直に認められるわけでもありません。誰もが大勝ちしたいと考えているわけでもありません。そこそこ小遣い程度に儲かっていれば良いという人もいます。そういった意味で、最後に残る本物のトレーダーは一握りだと思います。
■マーケットには何か一般的に知られていない秘密の法則があると思いますか?
□仮に秘密の法則があったとしても、どうでもいいですね。考えたこともありません。
・絶対にマーケットを予測をしてはいけない
■マーケットで大切にしているご自分の信念をいくつか教えてください。
□絶対に予測をしてはいけない。自分はシステムの下僕であり、売買指示に正確に従うことを仕事とすること。それとマーケットには敬意を払うこと。
■市場予測以外に、マーケットで絶対にしてはならない行動をいくつか教えてください。
□文句を言うこと。勝ってザマーミロとか、負けてこん畜生とか。それはマーケットに対しても、他人に対しても、自分に対しても。
■他には?
□ギャンブルをやらないこと。先ほどは相場はギャンブルだと言い、今度はギャンブルをやるなと僕は言うわけです。でも言わんとしていることは分かってくれるでしょう?(笑)
2019.08.18追記
前号のつづきです。これを読んで自分自身、原点に立ち返る必要を感じます^^ https://t.co/0BuQ69X3hg
— コロイ (@okachan_nem) August 17, 2019
(次号につづく)
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